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その吐き出した粘着をどうするの?
先生は、その手で僕の。
「あ。」
ツプッ
そうして侵入した指。
「先生…そん、な……。」
「嫌だったら、止めてくれよ…拓真。」
ドクン
名前で呼ばれた。
たったそれだけのこと。
たったその一言。
だけど僕には十分だった。
特別に思えたから。
「せんせ……。」
「何?」
「嬉しい……です……。」
僕がそう伝えるとふわりと笑う。
ああ、僕はその顔が大好きなんだ。
額、鼻、頬、首筋、口端、鎖骨。
次々にキスされる。
そして先生の指が僕を翻弄する。
「あ、ひゃあん…っ!」
「そうか、拓真はココがいいんだな。」
当てられた、僕の感じる場所。
もう何も考えられなくなる。
脳髄が甘く甘く痺れる。
こうなると人は欲張りだと思った。
「もっと……。」
はしたなくも口走ってしまう。
先生は驚いた顔をする。
だけどすぐに微笑んでくれた。
「嬉しいよ、拓真。」
額にキスを、落として。
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