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第8話

ここ2週間、残業で帰りが遅いパパ。玄関を開けるなり疲れたと言って、そのままベットに倒れ込み、5分も経たずして寝落ちする毎日。ほったらかしにされ、渉は悶々する日々を送っていた。 (パパとエッチしたい‼) (ごめん、疲れているんだ) 寝込みを襲ったことも1回、2回じゃない。 のらりくらりと理由を付けられ、相手にもしてくれない。 (毎日でもパパを抱きたいのに、数えるくらいしかエッチしてない) 欲求不満が溜まりに溜まっている渉。湊斗の体に触れるだけで渉のモノは完勃ちし、鈴口からはとろりと先走り液が滲み出るのに、毎回、お預けを食らい、自分で処理しないといけない空しさ。 (お前、本当健気だよな) 自分で自分を褒め、慰め、我慢に我慢を重ねてきた。 『今日は早く帰れそう。渉、そ、その・・・』 電話の向こうの湊斗は、恥ずかしそうにモジモジしていた。その仕草がこれまた可愛くて。 「何パパ!?聞こえない」 わざと意地悪してみた。 『だから、その・・・あのね・・・』 湊斗は、しどろもどろになりながら、必死に言葉を続けようとする。 (マジで可愛い‼) 渉は携帯を握り締めながら、ニヤニヤが止まらない。 『明日・・・急遽、休みになったんだ・・・だから、渉と・・・あっ、でも、学校あるもんね』 「学校より、パパの方が大事に決まっているだろ。早く帰ってこいよーーいっぱいエッチしよう」 流石に湊斗に言わせる訳にはいかないと、渉の方から切り出すと、小声で恥ずかしそうに頷くパパの声が返ってきた。 それなのにだ。 なんでこうなるんだ。 湊斗は愛する渉の為に急いで帰ってきてくれた。 まぁ、そこまではいい。 「パパお帰り」 なかなか家に入ってこないから迎えに行くと、 「初めまして、渉君」 誰だよこいつ! 渉は、湊斗の隣に立つ長身の男を睨み付けた。

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