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凌辱1

  槇が吾妻の肩を抱き寄せ、耳元で囁いた。 「酔ったか?」 「い、いえ、大丈夫です………もう、ご迷惑は………」 以前、酔っぱらった時の事を思い出して、吾妻はもたれていた槇の体から離れようとしたが、逆に強く引き寄せられた。 「じゃあ大丈夫だな。約束を果たしてもらおうか」 「え?」 不思議そうに見上げれば、ゆっくりと槇の顔が近付き、唇を合わされた。びくりと吾妻の体が揺れる。 「んっ!?」 槇の両手が吾妻の頭と腰を抱き寄せ、唇を割って舌が入り込んだ。 吾妻は槇の胸を押して離れようとするが、抵抗を封じ込めるように槇の口付けはすぐに濃厚なものになった。酒のせいもあって、ろくに力が入らない。 「ぅ……ん、んふぅ………っ!」 くちゅり、と唾液の絡む卑猥な音を立てて、ねっとりと舌を絡められて、吾妻の腰が震えた。弱々しくもがくが、貪るように口付けられ体の力が抜けてしまう。 「んぅ、ふ………やむぇ……ぅむ……うん、ん」 角度を変えて続けられる性感を高める濃厚なキスに吾妻はぐったりと槇の腕に身を任せた。 「………はっ……はぁ……あ」 唾液の糸を引いて唇が離れる。吾妻はぼんやりとしたまま、濡れた槇の唇を見ていた。 「あ!」 無言で槇に抱きかかえられた。 襖を開けると薄明りだけの和室に布団が敷かれていた。それを見て吾妻は酔いがさめるような気持ちになった。 「な、なにを………あ!?」 布団の上に下ろされて、ネクタイを解かれる。吾妻はどうにか起き上がろうとするが、槇が覆いかぶさってきた。 「昨日、約束しただろう?」 「やっ、待ってくださ………嫌だっ! やめっ………!」 「お前には何度も逃げられてるからな。今夜は逃げられないぞ」 警戒しているようでいて、自分の前ですぐに油断してしまう吾妻に槇は低く笑った。槇の手は躊躇いなく吾妻の衣服を乱していく。 「ほ、本気ですか!?」 「あの魚を貸してやる条件だと言っただろうが」 「そんな……だって、今日、事務手伝いで呼んだって………!」 「ああ。吾妻が初心だからな。あまりにガチガチだと俺も気が引ける。あれで気が紛れただろう」 「気が引けるならっ、こんなこと、やめて………あ!」 シャツのボタンを全て外され、うつ伏せにされてシャツを脱がされた。アンダーシャツを捲りあげ上半身を裸に剥かれる。 「い、や! 待って! お願いです! 待ってください………ひッ」 背中から槇が覆いかぶさり、吾妻の腰を上げさせてズボン越しに股間を揉みしだく。吾妻は逃げようとするが、簡単に引き戻されてしまう。 「今やめるか? 清古に言わないとな。お前が色仕掛けで俺を誘ったって」 「な!?そ んなことっ、してません!」 「清古にそう言え。ほら、呼び出していいぞ」 槇はそう言って、吾妻のスマホを手に持った。 「やっやめてください!! 正志さんは関係ないッ!!」 吾妻の悲痛な声に槇は眉根を寄せた。だが、耳元で冷たく告げた。 「清古の為に俺とセックスすると約束したのは事実だ。そんなに嫌なら迎えに来てもらったらどうだ? ほら………」 「やめてッ!!」 吾妻は槇の手のスマホを跳ね返した。スマホは畳の上を滑っていった。 「………じゃあ、続けていいな」 「そんな、そんなの………」 吾妻の体を仰向けにして、槇は両手を顔の横に着いて青ざめた吾妻の顔を見つめた。 「怯えなくていい。酷くはしない」 こんな場面にそぐわない優しい声で囁いて、槇は吾妻の震える唇にゆっくりと口付けた。

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