「………う」 吾妻はきつく目を閉じて抵抗を止めた。槇の手がベルトにかかり、下半身も裸にされてしまう。 吾妻は羞恥に唇を噛み締めて、できるだけ顔を背けた。 その様子に槇は苦笑して、自分もスーツを脱いで逞しい裸身を露わにした。 「ほら。こっちを向け」 「んぅ」 裸の胸を合わせるように抱きしめられてキスをされ、吾妻はびくりと身を震わせた。槇の熱い素肌にバクバクと心臓が壊れそうなほどに鳴っていた。 吾妻は誰とも裸で抱き合ったことなど無かった。キスも槇が初めての相手だ。 自分でも性欲は薄い方だと思っていたが、いつか好きな女性ができれば、その相手と相思相愛になれたなら、と淡く思い描いた事もある。 それが……… 今からこの男に抱かれようというのだ。 「………舌を出してみろ」 槇に言われて、吾妻は従順に唇を開き、怯えながらそっと舌を出した。 「う、ふぅ………」 槇は吾妻の舌を唇で柔らかく食んだ。舌を絡ませ合い、激しい口付けをする。 「お前も俺の舌を舐めろ。そうだ。口の中も………」 「………ん……ぁう………う」 言われるままに槇の口内を舐めた。まるで求め合うように互いの舌を舐めあう。 槇の雄はすでに熱く勃ち上がっており、吾妻の下肢に硬い男根が触れた。 「うぅ！？」 その熱さに吾妻は怯えた。男同士のセックスの事など詳しくは分からないが、怖くてたまらない。 槇は酷くはしないと言うが、きっと傷付けられると怯えた。 「は………っ……う、ん」 槇の唇と舌が吾妻の首筋から鎖骨、胸へと這い下りた。乳首を含まれて腰が震えた。 「………う………ん」 交互に乳首を吸われて甘噛みされる。ねっとりと乳輪ごと乳首を舐め回されて、吾妻の背がぞくぞくと震えた。 「あ、なんで………」 「気持ちよくなってきたか？」 「ちがっ、あぁッ」 抵抗を見せる吾妻の手を槇が封じた。手首を掴まれ、腕を十字に開いた状態で布団に抑え込まれた。 「待って、待って下さ………あ！」 じゅるじゅると音を立てて乳首を吸われ、吾妻の背が大きく反った。 初めての感覚に逃げようともがく吾妻の手首を押さえつけ、しつこいくらいに乳首を愛撫し続けた。 「やめ、や、あ！ もう、舐めないでくださいっ………ぃや、だ！ あっ。」 男に抑え込まれて、執拗に乳首をしゃぶられて、吾妻は混乱したまま身悶えた。 時折、強く乳首を噛まれて素足が布団の上を滑る。ジンジンと痺れた乳首をやわやわと舐められて、「ああっ」と背を反らせた。 「いやだっ………あ！ 槇社長っ、やめてく、ださ………も、もう嫌ですっ！」 吾妻の哀願する涙声に、ようやく槇は乳首から口を離した。唾液で濡れた乳首は硬く尖っていて卑猥だった。 はぁはぁと息を乱す吾妻に、ちゅっとキスをした。槇は両手を太腿にかけ、吾妻の股を大きく開かせた。 「あっ！ やめっ！」 「大人しくしてろ。舐めてやる」 「いやっ、嫌です！」 「前は気持ちよかっただろう？ いい子だから………」 「嫌だっ、やめ………あっ！」 僅かに反応していた吾妻のペニスは、すっぽりと槇の口内に含まれた。 「ぅあ………あ！」 男の口でズルズルとフェラチオされて、吾妻は大きく目を見開く。 また槇にペニスをしゃぶられた。 色事に長けた男の愛撫に未経験の吾妻は翻弄され続けた。 吾妻は右に左に首を振り、熱くて荒い息を吐いた。 やめてほしいのに、やめてほしくない。 酒の影響もあって、熱く火照っていた吾妻の体は更に熱くなってしまう。 「あ、あ………んんっ、う」 耐えきれず喘ぎ声が出てしまう。自分の声じゃないみたいで、吾妻は両手で口を覆った。びくびくと腰をひくつかせて、槇の舌技に絶頂へと導かれていた。 「だめっ！ くち、はなし……槇社ちょ………離してくださいッ！」 切羽詰まった吾妻の声に槇の口淫はいっそう激しくなった。 吾妻は「ひぃ」と悲鳴を上げて、必死で口を離してほしいと槇に哀願した。だが槇は許さず、激しいフェラで吾妻をイカせた。 「だ、めっ！………あぁあ─────ッッ！！」 吾妻はがくがくと痙攣して槇の口内に射精してしまった。全てを出し切るまで槇は口を離さなかった。 「………ぁ……はぁ……はぁ………あ。」 全てを受け止めた槇は掌に白濁を吐き出し、吾妻の尻を探るように触れた。 「あっ！ な、な………！？」 「前に言っただろう？ ここでセックスするって」 「え、あ！ やめてっ！！」 吾妻の精液をアナルの入り口に塗り付けるように槇の指が吾妻の尻を愛撫し始めた。吾妻は混乱して暴れようとするが、震えてか弱い抵抗は逆に雄の欲望を煽った。 「いやだ！ そんな、そんなところ！ 汚いっ！」 「綺麗なもんだ。誰にも突っ込まれたことないんだろう？」 「なっ、なんてことを言うんです！」 あからさまな言い方に吾妻は真っ赤になって槇を睨みつけた。 槇は欲望に満ちた雄の微笑を浮かべて「いいぞ。お前は抵抗してる方がそそる」と囁いた。 「………最低です」 「最高って言わせてやるから覚悟しろ」 「だれが………ひぃッ！？」 つぷり、と槇の指がアナルに埋められた。 「い、やっ………ひ、あ！ やめてぇえっ」 「まだ一本だ。根元までも挿ってないぞ………ほら、ゆっくり挿れてやる」 「嫌だ、いや、待って！………まって……お願いだか……ッ！」 ずぶずぶと挿入される男の指に、吾妻は口をパクパクさせて大きく仰け反った。 「根元まで挿ったぞ。分かるか？」 根元まで埋めた指をうねうねと動かされて、吾妻はきつく目を閉じて呻いた。 「ぅうっ………あ、う」 「大丈夫だ。ゆっくりやる。ここを解して、俺のが挿るように拡げてやる」 「ぁう、や、そんなの………いやだ、嫌です……や、あ！」 異物感に脂汗をかきながら、吾妻は耐え続けた。