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第11話 涙。

「俺なんかでも良いの。。?」 『なんかって?』 「臆病で嘘付きで好きな人に素直になれなくて、、涼に相応しくなっんんっ。」 俺の言葉を彼の唇が遮る。 触れるだけのキス。 だけど心も身体も震えるキス。 彼がそっと唇を離す。 『今度近くの河川敷で花火大会が開催されるから一緒に行こう。』 「花火大会?」 『うん。これからは毎年2人で花火を観よう。それと。。』 「それと。。?」 『今日からはセカンドじゃなくて、俺を椿の恋人にしてくれる?』 涙が頬を伝う。 『椿。返事は?』 嬉しくて涙が止め処無く溢れた。 知らなかった。 こんな幸せな涙があるなんて。。 「今日からよろしくね。」 今の俺に出来る精一杯の愛の告白だった。 その夜。 彼に抱き締められたまま眠りについた。 夢を見た。 12歳の俺が居た。 花火を観ながら泣いている俺。 隣には彼が居た。 『俺が傍にいるよ。』 そう言って、夢の中の彼は子ども時分の俺の手を握ってくれた。 彼の言葉を聞き、12歳の俺はとても幸せそうな笑顔を浮かべていた。。

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