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第13話
「じゃあお前はどんなのがタイプなの?」
めんどくさそうに頬杖つきながら聞いてくる。しまいに穴ついてりゃいいんじゃねぇのかとか超露骨なこと言ってくる。嫌だよこれだからオッサンは。
「タイプねぇ、そうねぇ」
タイプじゃないなんていいながら、改めて考えたこともなかった。
強いて挙げるなら。
「肌の色が白くてェ、割と目がキリッとしててェ、まつ毛長くてェ、髪は黒くてェ、物静かな人かな?」
指折り数えながらふと頭に浮かんだのは、コンビニにいたバイトの男。タイプ以前の問題だし。
「結構古風だな、今時の女じゃねぇんだ」
言われて気がついた。
「そうかもー、イマドキな女の子って疲れるじゃん、きゃいきゃいしてんのあんま好きじゃないかも」
遊び相手には全然もってこいなんだけどねぇ。タイプかそうじゃないかって言われたら、タイプではないな。
真面目に付き合うなら、ちゃんとしたおしとやかな子がいいよソリャ。
「兄さんはどんな子がタイプなの?」
聞いてみたけど、曖昧に濁される。
「今まで付き合った女ってみんなタイプ違うしなぁ」
「例えば?」
「ギャルとかバリキャリとか10コ上の熟女とか」
「うわぁ…AVのジャンル網羅する気なの?」
あけすけに言っちゃうのがちょっと羨ましい。
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