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第14話
「でも、いろいろ考えたら、やっぱお前と一緒かな。普通の清楚な感じの子がいいなー」
結局そこに落ち着くよね。
「だよねぇー、やっぱそこだよねー」
2人揃ってカウンターに肘をつく。
何の話してんだか、なんかバーじゃなくて居酒屋でする話みたい。
「まぁさ、お前はまだ若いんだし、いろいろ経験してみたらいいんじゃない?」
空気を変えるみたいに、兄さんが言った。
「百人斬りも良いだろうし、本当に好きな女探すのも良いだろうし」
「んー、そうねぇ」
そう言われてもピンとこない。
「試しにさ、その彼女ヅラしてる女のコと付き合ってみりゃいいじゃねぇか」
そこでハッとした。
「いやいやいや、無理だって、そりゃ無理だって」
「据え膳食わぬは男の恥って言うだろ」
「据えられてねぇし、そういう関係じゃないし」
「そこから始めてみるとかさ」
「だからぁ、俺兄さんと違ってそういうのは無理なのっ!」
ムキになると、ガキがって言って笑われるし。
ガキでもいいから、そういうのはしっかりしておきたいの!俺は!
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