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第25話
あいつだって出会いのうちに入るよな。
これといった接点もないし、俺が一方的に絡んでるだけなんだけど。
煙たがられてるのはわかるんだけど、それでも絡みたくなるの。なんでだろう?
(あれ、もしかして俺ってソッチの気ある?)
ハッとした。初体験は男だし、もしかしての点は否定もできないんだけど。
いや、でも俺女の子食いまくってるし。大きい声で言うことじゃないけど、そこは歪みないし。
なんでかただただ気になる存在と言うか。
(そういえば)
あの先生とか言う人、一体なんだろう?
何の先生だ?書道学科の先生?
ロマンスグレーな感じだったけど、なんだか気になる。
あれかな、他学部だからかな。新たな登場人物に対する興味みたいな。接点ないから興味深々なのかも?
考えながら、気づけば学外に出ていた。たまたま目の前のバス停に停まったバスに乗り込む。
開いたスマホの画面には、メッセージアプリの通知届いていた。数分前からなのにもう20通近い通知が来ていた。ほとんどが、俺の席を取っててくれた、例の彼女からだった。
「ちょっと、なんで先に帰るの?」
「席取っててあげたんだから待っててくれてもいいじゃん」
「明日は何コマからいる?」
(あーめんどくせぇぇ)
今、鏡で俺の顔を見たら、すんごい表情してると思う。皺の形でクッキリめんどくせぇって書いてあると思う。
そのまま既読にもせずに、画面を消した。
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