31 / 126
第31話
「きょーいくがくぶの3年生!よろしくー!」
「教育学部か!よろしくなー!」
「うちのサークル教育学部の奴は5人くらいしかいないな。下ばっかり」
「下じゃわかんねーわ、同じゼミでやっとだし」
何のサークル入ってんのとか、バイトやってんのとか、本当にどうでもいいことをダラダラと話し続けて、隣の彼のことを忘れるほどだった。
もともと飲み会とか好きだし、この通りあんまり人の迷惑も考えないから、ボーダーレスに打ち解けられる。これは履歴書に書ける強みかな。
酒の進みも良く、弱いくせに飲んじゃうから、ポンポンとビールのグラスを開けていく。
気づいたら、飲み会が始まってもう1時間以上過ぎてた。
「はーい、そろそろ中締めにするよー」
幹事が手を叩きながら言ったのにハッとしたほどだ。
「はぁーもーお開きー?」
まだ理性はある。ビールは4杯くらい空けた。
「飲んだぁーダメだもー」
改めて見るとドッと酔った気がして、テーブルに肘をついて頭を支える。
「結構強いじゃん」
「飲むねぇ」
口々に言われると調子こいて、あざっすって適当にお礼を言った。
一息ついたその瞬間だった。
いきなり肩を掴まれて、ぐっと引っ張られたのは。
ともだちにシェアしよう!