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第34話
これから講義だという彼らは、適当に別れて学舎の中に消えていった。かたや俺は2コマ空き。
とりあえず一旦家に帰って頭を冷やそうかな。
1人になると、余計に悶々としてきた。
頭の中をぐるぐるしていた、人に決して言えない問題。それは。
キスをされたあの時、俺の股間がちょっと反応してしまっていたこと。
(俺やっぱそっちなのかなぁ)
イケメンだなと思ったし、構いたくて何かとちょっかいかけてたのも事実。
だけど、キスまでされるとは思わなかったし、反応しちゃうのは完全に予想外だった。
兄さんに言われたことが頭をよぎる。
(グレーゾーンなのかなぁ)
いや、まてよ、だってさぁ。
女の子ばっかり食べてたのに、両刀っていうのは。
でも初体験はもちろん兄さんだし、兄さんに勃っちゃってヤッちゃったのも事実だし、男に反応しないって言ったら嘘になるし。
「うーっ! なんでこんなことで悩んでんだよー!」
バスを待つ間、悶々とした挙句に大声出したら、一緒に並んでたおばちゃんが変な顔してこっち見てた。どんな顔されても、俺はもうそういうのには動じません。っていうかそれどころじゃありません。
メッセージアプリの着信音が鳴った。乱暴に上着のポケットを探ると、同じゼミの例の女の子からだった。勝手に眉間にシワが寄った。
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