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第40話
3時間後、ホテルの前で彼女と別れて、俺は大学に戻った。
なんか脱力感がすごくて、頭も動かなくて、講義を受けてる意味もないくらいにぐったりしていた。そりゃそうか、今日一日が濃すぎたもん。
どこかでリセットしたくて、薄暗い帰り道の途中、構内のカフェに立ち寄ることにした。いつものバーでお酒飲もうと思ったけど、その前にもうワンクッション置きたくて。
(もうダメだ、疲れた)
ワンクッション置きたい理由はもう一つある。
(信じられないけど)
俺は彼女を抱きながら、頭の中ではずっと、キス魔の彼を想ってた。
(やっぱり俺ってソッチなのかなぁ)
ため息しか出ない道の途中。人影もまばらで、ぼんやりと街灯が灯ってきて、鳥目の俺はあまり周りがうまく見えないまま。
そんな中、その姿が目に付いたのは、何でだったんだろう。
(あれ……)
首を少し捻らないと目に入らないような場所なのに、何の気なしに目をやってしまった。
10メートルくらい先。校舎の陰に、人影が見えた。
2つ。
かと思ったら1つに重なった。
「えっ?」
その動きが妙に見えたのは、影の重なり方がやけに近かったからだ。
カップルとかそういう関係のやつが、イチャついてるとしか思えない。
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