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第43話

そんな俺の厄日の話を兄さんにしたのは、数日後のバーでのことだった。 聞いた途端に超笑いやがんの! 「ウケんなそれ、ヤバくない? ドラマかよ」 手叩いて笑ってるし。 「いや全然笑い事じゃねぇから! 笑う要素ないでしょ今の話で!」 「自分ならイヤだけど、人の話だからめっちゃおもしれぇ」 「うわ兄さんマジサイテー」 むすくれてると、まぁまぁと笑いながら宥められた。 「結局1日のうちに女にフラれて、その男の秘密を握ってってことか」 「フラれたうちに入るのかなぁアレ」 恋愛対象でもないのに。まぁフラれたならフラれたで別にいいんだけど。 それより彼の方が気になってるわけで。 「っていうかさぁ、俺のこと好きって言ってくれた女の子より、全然よく知らない男の方が気になってる時点でもう俺アレだよね」 「アレだな」 特に主語を置かなくても、ニュアンスで通じたみたいだった。 「しかも女の子なんかさ、泣かせちゃってヤッちゃってんのに、引き止める気にもならなかった」 「まぁ、男としてはやってること最低だよな」 「そんなハッキリ言わなくても」 自覚あるから余計痛い。

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