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第46話

まだフワフワしているけど、自分の中の芯みたいなものは固まった。 とはいえ、本当に一方通行も一方通行で、彼の名前どころか連絡先すら知らないわけで。 (文学部の、書道学科) その情報しかない。 文学部にも書道学科にも知り合いはいない。だから中継ぎしてくれる人もいない。 アテがあるとしたら、スケートサークルの奴らくらい。 (試しに聞いてみるか) 連絡先知ってるかどうか。 とはいえ気持ちの方向性が定まった今、とにかく聞いてみることにする。 (当たって砕けるかどうかもわからないし!) もしかしたら円満成就するかもしれないし。 なけなしの希望が砂みたいにサラサラ指の隙間から溶け落ちて行くのを感じながら、空元気を盾に前向きに彼へ向き合うことにする。 (よし) 空元気でなんとかするのなんて、中高校の部活で慣れてるし。それが今度は恋愛ってベクトルってだけで。 とりあえず、スケートサークルの2人に連絡してみる。簡単に「この間のキス魔の連絡先知らない?」って一言だけ。 時差はあるけど、2人とも結構ささっと返信が来た。一緒にいるのかわからないけど、示し合わせたような内容で。

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