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第48話

「なんで先生って呼んでるの?」 何気なく聞いてみると、少し間が開いて「わかんない」と言われた。 「目上だからじゃね?」 「先を見越して媚び売ってるとか」 2人の意見はそれぞれ違う。さすがに、この間の夕方見ちゃった現場については言えなかった。 「っていうか、なんでお前らそんな詳しいの? やっぱ仲良しサークルだから?」 聞いてみると、2人の回答は同じ。 「うん、仲良しサークルだから。でもキス魔なのは知らなかった」 「なんで知らないんだよ! 一番大事な情報なのに」 「キス魔より高名な書道家の先生って情報の方がレアじゃん」 だんだん文字打つのも疲れて来たから、改めて連絡先のことを聞く。 「連絡先教えていいか、ちょっと聞いてみるから、関係各所に」 返答もらって、一度スマホを手放した。 待っている間、頭の中を一旦整理しよう。 アイツは出版業界からも注目される若手書道家で、先生と呼ぶ親しい編集長がいて、その編集長と何だか込み入った関係なのかもしれなくて。 (なんか想像以上に手強いかも) 俺なんかに比べたら、月とスッポンみたい。 ちょっとレベルが違う感じっていうか、あんまりやすやす近づけないお高い感じっていうか。

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