69 / 126
第69話
今までの話を自分なりに整理してみる。なんか俺は彼と付き合ってる設定で、先生っていうのが彼のことを好きみたいで。彼は先生に迫られてるみたいだけど、彼は嫌みたい。って感じみたい。
そのシチュエーションホント謎だけど、とりあえずこの場をやり過ごすことに終始する。
「本当に、彼のことが好きなのか?」
訝しそうにしてる。
よかった、俺が彼のことを好きで。
それだけは本当のことだから、ここは自信持って言えるわ。
「好きです。彼のこと、本当に好きなんです」
はっきりと先生の目を見て言う。少しの沈黙の後、軽く笑われた。
「恋人がいると言われたときはまさかと思ったけれど、そんなはっきりと好きだと言われてしまうとな」
呆れ半分悔しさ半分みたいな。まぁ俺恋敵みたいなもんだもんな。
当の彼は、ちょっとびっくりした顔をしてた。
「すいません、本当に俺は彼のことが好きです。先生のことは、付き合う前から聞いていました。ずっと彼のことをサポートしてくださってたって聞いてます。けど、そういう意味で熱心になってるとは思ってませんでしたけど」
面白いくらいポンポン言葉が出てきた。俺役者の才能あるのかなってくらい。
ともだちにシェアしよう!