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第83話

【兄さん元気? 俺彼女出来たんだー、居たら自慢したのにー】 部屋のベッドでごろ寝しながら、南の島の兄さんにメッセージ送ったまでは良かったけど、急に不安に襲われた。彼の言った言葉を噛みしめていた途中で「優しそうだから」って言われたのが妙に引っかかったんだ。 (それって、俺って男として見られてないってことじゃね?) もしかして、全然手出さなそうって思われてる?その上での付き合おうだとしたら、俺ちょっとまずくない もちろん速攻狼になりますってわけじゃないけど「ただの仲のいい男友達だと思ってたのに、そういう目で見られてから嫌いになった」っていう女の子の話、よく聞くしな。 (いや、それだったら初めっから付き合おうとか言わないよね?) でも、ただ用心棒みたいな感じで、とりあえず付き合っとけば虫除けになるだろって思ったのかもしれないし…。 何も想像の域を出ないけど、一つもいい方向に考えられない。 (指一本触れられないなんて拷問だろ) 枕を抱きしめて悶々とする。改めて、自分の中の好きな気持ちの度合いを確認する。 あのサラッとした髪や白くて綺麗な肌に触れられないとしたら。紅い唇にキスも出来ないとしたら。

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