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第85話

初恋経験中の中学生のような悩みを抱えたまま、彼との友達以上恋人未満のやりとりは続いていた。とはいえ結局同性だからか、普通の友達同士のそれと大差ないやりとりをしている。 オツキアイを始めて知ったことは、彼が結構すぐに、そしてマメにメッセージを返信してくれる人だということだった。 「今日カフェ行ったらさぁ、期間限定メニューで抹茶のアフォガードっていうのがあったよ」 お気に入りのスタンプを添えて送ると、今も比較的すぐに返信が来る。 「アフォガードって何?」 「バニラ風味のアイスに飲み物をかけたものだって」 「アイスはアイスで食べたい」 「アフォガード全否定かよ」 メッセージだけじゃなくて、都合さえつけばちょこちょこ会っていた。って言ったって、いつも学内のカフェと学食のほぼニ択なんだけど。 「なぁ、昼いる? 一緒にメシ食いたい」 ちょうど家の近くのバス停で、大学行きのバスを待っていたところ。着けば12時を回るだろう。 「今バス乗るとこだから待ってて、もうすぐ行く」 「わかった、席取っておく。学食ね。早く来て」 付き合うって言ってくれたときは本当に信じられなかったけど、その言葉を体現するかのように、彼は積極的に俺に向き合ってくれていた。文字の上でも言い方が不器用なのがめちゃくちゃ可愛い。 大学に着くと、いつもならすぐに見る入り口の休講の掲示板に目もくれず、まっすぐに学食に向かう。 激混みの学食の中、不思議なもんで彼の姿を一発で見つけることができた。

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