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第112話
「あっ、ぃ」
彼の声が引きつる。けれど、内部の抵抗はない。初めて入った彼の中は温かくて柔らかく馴染んで、その感触だけで挿れたくなる気持ちを抑えるのが大変だった。まだ指一本だし、もっと解してあげないと、彼に負担をかけるだけだ。
ローションをさらに足して、指の本数を増やすように解していく。内部を撫でるように指を前後させると、彼が喘ぎながら体を震わせた。
(キツイけどけっこう弾力ある)
指を拒むみたいに締め付けてくるけど、うまく締まりきらなくてそこが戸惑ってる感じが伝わってくる。さらに指を含ませようと、今度は人差し指も入れる。
「やだぁっ、恥ずかしい……っ」
彼が体を震わせながら訴える。
正面から見たら顔まっかっかなんだろうなぁ。なんで後ろから攻めちゃったんだろう俺、見たかったのに。
「大丈夫だって、めっちゃ可愛いよ」
フォローしたつもりだったけど、彼は息を荒くさせながら、可愛くねぇと文句を言った。
「めっちゃ可愛いって。さすが俺のカノジョ」
「っ! うるせぇ」
ケラケラ笑いながら、さらに薬指も挿入する。
「あぅっ」
彼が背をそらせながら鳴いた。
「すげぇ、もう3本入った」
「はぁ、っ?」
「指。もう俺の入りそう」
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