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第117話
そのままベッドサイドを探り、ゴムを手に入れる。ゆっくり装着している間、彼は所在なさげにそっぽを向いていた。本当は生で入れたかったけど、兄さんが出されたら腹壊すって言ってたことあったから。俺出さない自信ないもん。
「まだ恥ずかしい?」
装着し終わって再び彼の上に舞い戻る。ちょっと茶化すみたいに尋ねると、軽く頷くだけで何も言わなかった。
大きく開かせた脚の間に体を挟み込む。何回もこういう眺めを見てるはずなんだけど、今日は大好きな人を目の前にしてなんだか夢でも見てるような気分。
「入れるよ」
呟くみたいに宣言すると、彼は俺から目をそらせて一つ大きな息を吐いた。部屋の僅かな照明を受けて光る穴に、先端を押し当てる。
手を伸ばしてきた彼をそのまま抱きしめるみたいに抱きついて、ゆっくり挿入していく。
「まっ……あっ、て」
待って、という声も聞かずに侵食していく。彼の声が細く高く小さく響く。
「うぅっ、ん……」
半分くらいまで入れて、一度腰を止める。
「大丈夫? 無理そう?」
おでこにキスする。すっかり肩で息をしてる彼がちょっと心配。半分までつながって、彼の中はすごい締め付けと弾力。もうイッちゃいそうになる。
「たぶん、へぇき」
とても平気そうには見えないけど、彼は小さく震えながら頷いた。
「も、ぜんぶ、入った?」
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