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第118話

目をうるうるさせながら見上げてくるのがホントたまんない。 「まだ。あと半分くらい」 「マジか……」 「いけそう? 無理ならやめる」 正直無理はしてほしくなかったけど、彼は首を横に振る。 「だいじょぶ、全部ちょうだい」 「ホントに平気なの?」 「だいじょうぶだって」 そして俺のほっぺたや顎に軽くキスしてくる。 「ちゃんとぜんぶほしい」 荒く息を吐いて、我慢してた気持ちを少し解放する。遠慮なく一気に奥まで突き上げる。 彼の背中が軽く反った。 「ほら、全部だよ、これで」 「う……」 彼の顔中にキスを落とす。中の締め付けがホントすごくて痛いくらい。聞くまでもなく初めてなんだと思う。彼の初めてをしっかり味わった。 「あー、すげぇキツくて気持ちいいわ、やべぇ」 思ったままに伝える。彼はまだ肩で息をしながら、うるせぇなんて文句言ってる。汗とシャワー上がりの湿気で湿ってる肌が余計にヤラしい感じがする。 「あんま言うなって」 恥ずかしいから、と顔を真っ赤にして言う彼が本当に恥ずかしそうで可愛い。 「俺しか聞いてないんだからいいだろ」 適当に流しながら、ゆっくり腰を前後させる。恥ずかしいって言いながら、彼の声が甘ったるくひっくり返るのは止まらない。恥ずかしがり屋ってだけで、本当は嫌じゃないのかもしれない。

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