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第121話
「あのさ、そろそろ出してもいい?」
ゴムしてるから別にいつ出してもいいんだろうけど、つい聞いちゃう。聞かれたって困るだろうな。実際彼も困ってる。
「えっ、あの、えっと」
「ごめん、変なこと聞かなきゃよかった」
「だっ、出すって?」
「セーシ出したいの。ゴムしてるからお前の体には何にも影響ないけど」
「そ……」
声を詰まらせてそれ以上何も言わなくなる。
「いい、けど」
消えそうな小さな声で呟く。
「俺も、イきたい」
そこでハッとした。解すだけ解してつながったけど、彼の快感のことは二の次にしてことに及んでしまったことに気がついた。リードしようなんて思ってたけど、結局自分のことしか考えてなかったに等しい。
「ごめん、そうだよね、ごめん」
贖うみたいに彼のモノに触れる。ちゃんと勃ってて、気持よさそうにしてたのがウソじゃないってことを証明してた。体を起して、両手を添える。先っぽのくびれたところに親指を滑らせ優しく擦っていく。
「あっ! ちょっとそこっ」
彼が目をまん丸くして体を起こそうとする。つながって体の一番奥まで杭を打たれた状態だから、そんな簡単に起きられるはずもない。
「ココ好き? 俺ココ触るのすげぇ好きで、自分でもよくやんの」
くすぐるみたいに触りながら、全体も丁寧に擦っていく。それなりに硬かったものが、もっと硬度を上げる。
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