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第124話
「っていうワケなんですわ。そのあと起きてから一緒に風呂入ったの。そこでもう一回ヤッてね。いいでしょー」
「つうか話超長ぇ。長過ぎて最初の方全然覚えてねぇし」
とかなんとか言いながら、兄さんはしっかり話を聞いてくれた。
今日の本題はこれからだ。
「っていうわけで、今からカノジョ来るから、改めて紹介させて?」
兄さんにはちゃんと紹介したくて、予めカノジョに連絡しといたんだ。
「は? マジで? 今から来んの?」
ちらっと時計を見る。今10時過ぎ。
「書家のお仕事終わってから来るって。9時までっつってたからそろそろかも」
「マジか。俺もあいつが迎えに来るんだよそろそろ」
「えっ! 旦那?」
願ったりかなったりじゃん! みんな一気に初めましてよろしく出来るし!
兄さんの携帯が鳴った。出て話し始めたのは英語。
「旦那もう着いたの? すげぇグッドタイミングじゃん!」
しかももっとグッドタイミングなことに、開いた店のドアから現れたのは俺のカノジョ。
「ごめん、遅くなった」
俺の姿を見るなり軽く笑う。もうその顔も可愛いなぁ。けど兄さんに視線をやると、ちょっと緊張したような顔をした。
「大丈夫、怖くないから。俺の仲良しの飲み友達の兄さん」
「あ、お前の初体験の」
「そうだけど今はその話なしで」
唇の前に人差し指を立てる。
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