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「灯りを消してください……」 「恥ずかしいのかい?」  天宮くんは目元を腕で覆い、コクリと頷く。僕は一旦体を離し立ち上がると、言われたとおり電気を消す。ぼんやりとした月明かりだけで心許ないが、仕方がない。  少し驚いた顔で天宮くんが僕を見上げていて、僕は少し可笑しくて頬が緩んでしまう。 「何をそんなに驚いた顔をしているのだい?」 「だって……いつもだったら、僕の言葉など聞き入れてはくれないじゃあないですか」 「今日はね、君の願いを聞き入れようと思っているのだよ」  僕は再び天宮くんに覆いかぶさると、訝しげな表情をしている天宮くんの唇にしゃぶりつく。 「これで遠慮は要らないだろう」  指先で胸の突起を摘んだり転がすと、天宮くんの胸が大きく上下に蠢きだす。  再び丹念な愛撫を繰り返し、隆起して溢れ出している蜜を指に絡みつけると膝を立たせる。いつもの様に丹念に指を挿し入れ、窄まりを解していく。 「ああっ……やぁっ……」 「縛らなくとも、君は充分すぎるぐらいに感じてくれるね」  天宮くんの中が蠢き、指をきつく締め付けてくる。昂ぶったモノが重たげにヒクつき、天宮くんは荒い息遣いを繰り返す。 「あっ…あっ……ッ」 「達してしまいそうかい?」  何度も頷く天宮くんに、僕は少し未練がましく思いつつも指を引き抜く。  自らも帯を解き、既に限界に近い昂ったモノを取り出すと、天宮くんの膝を抱え腰を落とし込んでいく。 「ああっ……」  ゆっくりと呑み込まれ、全身に言い知れぬほどの悦楽の波が襲い来る。 「はぁっ……相変わらず、天宮くんの中は堪らない……絡みついて僕を捉えて離さないのだから」  ゆっくりと腰を揺すっていくと、天宮くんの手が布団を強く握りしめる。離れていることが惜しいぐらいに感じていた僕は、神近くんの腕を掴むと僕の首の後ろに回す。  間近に迫った天宮くんの表情は苦悶とも、快楽ともつかぬ様子で目をキツく閉じていた。額から玉のような汗を流し、目からも大粒の雫を伝わせていく。

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