6 / 14

第6話(R)

【汐音side】 戸河内さんに会うために営業部へとやって来た。 きょろきょろと本人を探すが見当たらない。 「芦田、荷物整理付き合え」 「ッは、はい!」 背後から戸河内さんに声を掛けられ、驚く。 戸河内さんの後ろに続き、俺は倉庫へと向かった。 倉庫は社内3階にある。ここにはサーバールームもあり、普段人が出入りする事はほとんどない。 倉庫に入り、指示を待つ。しかし、俺の予想に反して、戸河内さんは俺の両腕を壁に押し付けてくる。 「ちょ、戸河内さん!?」 「お前は惚れやすいからな。鷹栖の事も好きになったんじゃないのか?」 「そんな訳…!」 「あまり手を出すなよ? あれもいずれは俺の玩具になる」 首筋を舐め上げられる。それだけで、俺はゾクリとした。 どうにか逃げられないかと暴れてみるが、振り払う事が出来ない。 その間にも、戸河内さんは俺のワイシャツのボタンを外し、肌着をずらし肌を露わにさせた。 乳首を吸われ、弄られ、徐々に俺の息が上がる。 「と、ごうちさ…やめっ…」 「気持ちいい癖に。ずっと俺の事を見てただろ、物欲しそうに」 「俺、そんな事…」 「まぁ、こっちに聞けば答えてくれるがな。お前よりよほど正直だ」 「ひぁっっ!」 ズボンの上から撫でられる。 少しの衝撃だけでも、感じてしまう自分が居て、嫌悪感に襲われた。 戸河内さんはズボンのジッパーを開け、地本と下着をずらして俺自身を扱き出した。 「やっ、あ、あ、はぁっ……んっ」 「もうこんなにして…ぐちゃぐちゃじゃないか…?」 「言わないでぇっ……」 ニヤリと笑って、戸河内さんは俺の窄まりに指を押し入れてくる。 圧迫感と異物感で、声が漏れた。 「くっは……」 「ここも…トロトロだな…」 「う……あ…」 グチュグチュと水音が響き出す。 俺は自分の口を手で覆い、声が響かないように気を付ける。 そんな俺を余裕な表情で戸河内さんが見つめている。 いつも、そうだった。 はじめて抱かれた日も、戸河内さんだけ余裕で…。 戸河内さんにとって、俺も彼の玩具でしかないのだろう。 それが、とても悲しかった。 「戸河内さ……俺、もう…っ」 「入れてほしいか…?」 「は、い…」 「ちゃんと言え」 「っ戸河内さんの、ください…俺の中に入れて…っ」 戸河内さんが自身のズボンのジッパーを開いた。 俺の窄まりにあてがい、ゆっくりと侵入してくる。 その質量に耐えながら、俺は息を吐き出した。 「あ、あ、は、ぁ……」 「相変わらず、きつい、な…」 ゆっくりと抽送を繰り返し、次第に勢いを増した。 最奥に叩き付けられて、意識が飛びそうになる。 「戸河内さんっもっと、もっと頂戴……っ」 「ッ、この、淫乱がっ」 「やっあぁっあ、はぁぁっんんっ」 戸河内さんも終わりが近いのだろう、打ち付ける力も、抽送も加速していく。 そして、目の前が弾けた。 「あっあっ……あっ! いっ……ああぁぁあああ―――…!」 スーツを整え、戸河内さんを見つめた。 この人は、本当に自分勝手だ。 でも――…そんな彼を好きな俺も、自分勝手なのだろう。 二人して無言で倉庫の整理を開始するのだった。

ともだちにシェアしよう!