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第6話(R)
【汐音side】
戸河内さんに会うために営業部へとやって来た。
きょろきょろと本人を探すが見当たらない。
「芦田、荷物整理付き合え」
「ッは、はい!」
背後から戸河内さんに声を掛けられ、驚く。
戸河内さんの後ろに続き、俺は倉庫へと向かった。
倉庫は社内3階にある。ここにはサーバールームもあり、普段人が出入りする事はほとんどない。
倉庫に入り、指示を待つ。しかし、俺の予想に反して、戸河内さんは俺の両腕を壁に押し付けてくる。
「ちょ、戸河内さん!?」
「お前は惚れやすいからな。鷹栖の事も好きになったんじゃないのか?」
「そんな訳…!」
「あまり手を出すなよ? あれもいずれは俺の玩具になる」
首筋を舐め上げられる。それだけで、俺はゾクリとした。
どうにか逃げられないかと暴れてみるが、振り払う事が出来ない。
その間にも、戸河内さんは俺のワイシャツのボタンを外し、肌着をずらし肌を露わにさせた。
乳首を吸われ、弄られ、徐々に俺の息が上がる。
「と、ごうちさ…やめっ…」
「気持ちいい癖に。ずっと俺の事を見てただろ、物欲しそうに」
「俺、そんな事…」
「まぁ、こっちに聞けば答えてくれるがな。お前よりよほど正直だ」
「ひぁっっ!」
ズボンの上から撫でられる。
少しの衝撃だけでも、感じてしまう自分が居て、嫌悪感に襲われた。
戸河内さんはズボンのジッパーを開け、地本と下着をずらして俺自身を扱き出した。
「やっ、あ、あ、はぁっ……んっ」
「もうこんなにして…ぐちゃぐちゃじゃないか…?」
「言わないでぇっ……」
ニヤリと笑って、戸河内さんは俺の窄まりに指を押し入れてくる。
圧迫感と異物感で、声が漏れた。
「くっは……」
「ここも…トロトロだな…」
「う……あ…」
グチュグチュと水音が響き出す。
俺は自分の口を手で覆い、声が響かないように気を付ける。
そんな俺を余裕な表情で戸河内さんが見つめている。
いつも、そうだった。
はじめて抱かれた日も、戸河内さんだけ余裕で…。
戸河内さんにとって、俺も彼の玩具でしかないのだろう。
それが、とても悲しかった。
「戸河内さ……俺、もう…っ」
「入れてほしいか…?」
「は、い…」
「ちゃんと言え」
「っ戸河内さんの、ください…俺の中に入れて…っ」
戸河内さんが自身のズボンのジッパーを開いた。
俺の窄まりにあてがい、ゆっくりと侵入してくる。
その質量に耐えながら、俺は息を吐き出した。
「あ、あ、は、ぁ……」
「相変わらず、きつい、な…」
ゆっくりと抽送を繰り返し、次第に勢いを増した。
最奥に叩き付けられて、意識が飛びそうになる。
「戸河内さんっもっと、もっと頂戴……っ」
「ッ、この、淫乱がっ」
「やっあぁっあ、はぁぁっんんっ」
戸河内さんも終わりが近いのだろう、打ち付ける力も、抽送も加速していく。
そして、目の前が弾けた。
「あっあっ……あっ! いっ……ああぁぁあああ―――…!」
スーツを整え、戸河内さんを見つめた。
この人は、本当に自分勝手だ。
でも――…そんな彼を好きな俺も、自分勝手なのだろう。
二人して無言で倉庫の整理を開始するのだった。
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