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第24話
胸がどんどん苦しくなる
誠の手が、僕を手のひらを開かせ恋人繋ぎへと変える
「……不安な気持ちにさせてしまってすみません…
確かに九条はうちに来てシャワーを浴びました
でもそれは、そういう意味ではありません……」
「……」
「あの日は飲み会があり、僕も九条も一次会で抜けました
その時九条から、社に戻って残った仕事をする前に汗を流したいと言われ、僕の家が近かった事もあり、お貸ししたのです……」
繋がれた手のひらが熱くなる
「……軽率でした
誤解を招くような事をしてしまって……」
「………」
目に溜まった涙が零れ落ちる
軽率なのは、僕の方だ……
「ごめんなさい」
「……双葉が謝る事は…」
何もなかった……のに
僕は…悠と……
僕は頭を小さく振った
そして二の腕を掴み、ぎゅっと自身を抱き締める
「……どうして、僕には……してくれないのかなって……」
誠の視線から逃れるように、顔を伏せる
「嫌なのかな……とか、飽きたのかなとか……」
「双葉」
シートベルトを外した誠が、こちらに身を乗り出した
そして僕のシートベルトを外すと、僕を抱き寄せる
「……まこと、さ…」
驚いて見上げると、少し開いた唇に誠の唇が舞い降りる
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