24 / 92

第24話

胸がどんどん苦しくなる 誠の手が、僕を手のひらを開かせ恋人繋ぎへと変える 「……不安な気持ちにさせてしまってすみません… 確かに九条はうちに来てシャワーを浴びました でもそれは、そういう意味ではありません……」 「……」 「あの日は飲み会があり、僕も九条も一次会で抜けました その時九条から、社に戻って残った仕事をする前に汗を流したいと言われ、僕の家が近かった事もあり、お貸ししたのです……」 繋がれた手のひらが熱くなる 「……軽率でした 誤解を招くような事をしてしまって……」 「………」 目に溜まった涙が零れ落ちる 軽率なのは、僕の方だ…… 「ごめんなさい」 「……双葉が謝る事は…」 何もなかった……のに 僕は…悠と…… 僕は頭を小さく振った そして二の腕を掴み、ぎゅっと自身を抱き締める 「……どうして、僕には……してくれないのかなって……」 誠の視線から逃れるように、顔を伏せる 「嫌なのかな……とか、飽きたのかなとか……」 「双葉」 シートベルトを外した誠が、こちらに身を乗り出した そして僕のシートベルトを外すと、僕を抱き寄せる 「……まこと、さ…」 驚いて見上げると、少し開いた唇に誠の唇が舞い降りる

ともだちにシェアしよう!