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第25話
触れてから、三秒……
熱がゆっくり離される
誠の息遣いを感じ、瞼をゆっくり上げる
視界一杯に誠の顔が入り、直ぐに目を伏せた
「……そんな可愛い事言われたら
抑えられなくなってしまいます……」
後頭部に手が添えられ
色気を帯びた誠の瞳が緩く閉じる
そして再び唇が重ねられると
今度は、舌が差し込まれる
「……ん、」
もう片方の手は僕の背中に回り、誠の方へと強く引き寄せられる
息が出来なくなる程深く
だけどそうされる度に疼く、罪悪感……
悠との事が無ければ…
……だけどあの時、悠がいなければ……
誠の脇腹辺りの服を掴み、押し返す
僕の背中に回された手は、僕のその手首を掴み少し乱暴に引き剥がす
そして、指を絡め自由を奪った
「…煽っておいて
拒まないで下さい……」
唇が離され、誠の熱っぽい視線が注がれる
後頭部にあった誠の手が、僕の横髪に触れた
「……双葉の肌に
触れたくて堪らないのに…」
さらりと髪を梳かされる
甘く変わる空気……
それから逃れるように
僕は首を傾け、誠から顔を背けた
「……ごめんなさい…」
誠から遠い首筋に
悠の痕がまだ残っている
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