「うん…… 双葉、おいで」 誠の手が一度僕から離れ、直ぐに僕の二の腕を掴むと、優しく引き上げる 僕はそれに誘導され、誠に跨がり懐へと身を預けた 心臓と心臓が重なる様に密着し、お互いの息遣いを耳で感じる トクトクと早くなるお互いの心音…… その間にも気持ちは昂り 接触した部分がどんどん熱を持つ やがて頬も熱くなり 浅く吐く息も何処か熱っぽい…… 誠の脇腹に添えた僕の手が、小さく震える 気付けば、僕の背中に回された誠の手も まだ少し震えていた…… 唇を引き結び きゅっと力を籠め、服を掴む と、合図を送る様に少し下に引っ張る そして胸を少し離すと 薄く瞼を閉じながら、誠の頬に唇を当てた 「………」 触れたのは、ほんの数秒…… 心臓は更に胸中を激しく暴れる 「……双葉…」 誠のしっとりと潤んだ瞳が、こちらに向けられる 憂いはまだ少し残るものの、再び熱の籠った色気を纏う 「あ……」 後頭部に誠の手が移動し、力強く引き寄せられる と、誠の唇に僕の唇が重なる 「……んっ、」 僕の唇を割り 誠の舌が入ってくる 背中にあったもう片方の手は するすると僕の腰へと移動する 「……はぁ、……ゃ」 ゾクゾクと快感が爪先まで走る 誠に掴んだままの手が甘く痺れ ぎゅっと力を籠めた 落とされた服を避け 二本の足がソファから下り 寝室へと遠ざかっていった