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第87話

顔を上げて悠を見る 窓から少し差し込んだ光が、闇を切り裂き希望を齎す その一角には、悠の横顔 そして恐らく僕の横顔にも…… 「……ん、」 悠のピアスが光るのが見えた後、悠の唇が僕の唇に重なる 舌が強引に、でも優しく差し込まれる それにおずおずと舌先を差し出せば、直ぐに絡まり吸い上げられる 「……はぁ、……ん…っ!」 悠…悠… 求める様に顎を上げ、悠を感じると、悠の手が僕の腰を撫でた そこから服の中に差し入れられ、僕の肌をするりと撫で上げる 「……あ、ぁん…」 求めていた感触、匂い、息遣いに 僕の体が、心が どんどん満たされていく…… …悠…好き…… もっと触れて もっと僕を感じて…… ……僕の中に入って…… 悠の指が、僕の指に絡み 床に押しつけられる ……悠…もう……離さないで… 「……双葉とは、もう何回もしてんのに 初めて、みてぇ……」 裸の悠が、僕を見下ろす 僕を覗き込んだ瞬間、ぽたぽたと汗が落ちる クーラーを付け忘れた蒸し暑い部屋 僕の肌もしっとりと湿り 悠の肌に吸い付いて離れない 「……ゃだ、…」 「や、じゃねーよ…マジで、一番スゲェ……ヤべぇ」 「…えっち」 悠を見つめると、悠は僕に愛しい八重歯を見せる

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