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第88話

再び悠に唇を塞がれる 愛しさが吹き込まれ、僕の体が軽くなるのが解る 「……ん、ゆう……怖い…」 少しイヤイヤをして右の首筋を悠に晒ける 「どした、双葉……」 「……なんか、変……」 体が一定のリズムで揺れ、肩甲骨が床に擦れて少し痛い だけどそんな痛みさえ麻痺してしまう感覚が、不意に僕を包み込みふわりと浮かぶ 「……ゆう、……ヘン…ゃ、変になっちゃう……」 その感覚が怖くて、僕は悠の手をギュッと握る 「こわ…い、……怖いよ、悠……あぁ…っ!」 悠と繋がった場所が熱く 離れて欲しくないと 何度も引き留める そして 悠の帰りを待っていたかの様に 受け入れると 僕の心の柔らかい部分から 溢れる想いと溢れる愛が 体中を駆け巡った 「……双葉、お前…」 「ぁ…ゃだ……や、ぁん……飛んじゃう……ゆう……ああ…っ!」 怖くてきゅっと目を瞑る ……瞬間 世界が真っ白に変わる…… 「…ああぁぁあ、、っやぁ、ああぁぁあ…あぁ…っ!」 自分でも聞いたことのない矯声が口から吐かれる ふわり、と体が浮き 飛んでいってしまいそうになるのを堪えようと、悠の手を更に強く握った 「あぁ、…俺も、いく…っ!」 悠の少し掠れた声が 鼓膜を擽る その刹那 悠の溢れる愛が、僕に注ぎ込まれる ……悠、悠、悠… 肩甲骨から白い天使の羽根が生え ばさりと羽根を広げる 悠の体にしがみつくと 悠と共に白い雲の上まで…… ……悠、大好き…… もう二度と、離さないから 悠も僕を……離さないで……

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