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第23話 3※
なんて酷いことをしているんだろう、
月乃の頭の中をそれだけが支配していた。
あのままもう一度合わせられた唇も、脱がされる服も。
抵抗するべきなのに、一夜から与えられるものを拒むことを、頭のどこかの本能が拒否をした。
「……は……っ、ダメだな。
自分以外にされたものなのに、興奮する」
「ひっ、ぁ!」
くにくにと胸の尖りを絆創膏の上からいじられて、
月乃は一夜の首に力無く腕をまわしながら
たまらないように身体を震わせる。
「俺は部活柄、生傷がお前達より多いんだが……
聞いた話、絆創膏は張ったり剥がしたりを
頻繁に繰り返すと、そこの肌が敏感になるらしい」
「っん、ん……ゃ、っ……うそ……っ」
「さあな?
先輩が面白半分に語っていた事だから
嘘かもしれない……けど、
月乃を見ると、本当かなと思うよ」
「んゃ、っぁ……!」
ぺりぺりと、天とは違ってゆっくり剥がされるそれに
月乃は長い睫毛をふるふると揺らしながら目を閉じ
必死に快感をやり過ごそうとする。
それにしても華奢な身体だ、と
一夜はそんな月乃を見ながら自分と比べた。
日に焼けていない白い肌は、出来ることならそのまま自然なままに見たかったな、などと
そんな事を考えながら不自然に赤い尖りに唇を寄せた。
「っ、あ、いちや、やめ…っ、それは、いやだ……!」
「……お前の頼みはなんでも聞いてやりたいが、
今はどうしようかな、やめたくない」
「んぁあ、っ……ぁ、っん……!」
「はは……可愛い」
ざらざらした舌の感触に、声が押さえられない月乃。
力の抜けた月乃の腰に手をやって体勢を支えてやりながら、
一夜の舌は好き勝手に赤いそれを転がす。
そして、やがて唇を離されたそこがてらてらと光る淫猥な光景に
一夜は満足そうにもう片方の絆創膏へと指を伸ばした。
「……、……なあ、月乃」
「っ……な、なんだ……?
って、きみ、そのかお……ろくなこと考えてないだろ、いやだ……」
「まだ何も言ってない。
いや……月乃は、ここだけでイけるのかと思って」
「きっ、みはバカなんじゃねぇのか、
この……っ、ド変態……!」
さすさすと絆創膏の上から人差し指で撫でつつ
そんな事を聞いてくる一夜に、月乃は羞恥で顔を赤らめて睨む。
しかし、少し考えるようにそこを見たあと、
一夜はぴりぴりと絆創膏を剥がす。
「っぁ……!
バカ、ばか、いやだ、むりだからな、そんなのっ、
い、ゃだっ、てぇ……!」
「大丈夫、イかなかったらちゃんとやめてやるよ」
「ひ……っ、」
幼なじみの中でも、一番距離が近かった。
共有する事だって多くて、趣味も似ていて
一番、お互いを知っているつもりだった。
けれど目の前の一夜は、何かのスイッチが入ったかのように
月乃が見たこともない雄の顔をして舌舐めずりをした。
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