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第53話 2※

    「っん、んぅ……っ、ふ、……」 「だから声抑えんなって、聞いてた?」 一夜の首に腕をまわして抱きつくように凭れながら 後ろから天に胸を弄られている月乃。 まるで女の子のような鼻に抜ける声が出る事が 恥ずかしいのか、唇を噛んで我慢しては 天に怒られていた。 「一夜、なんとかしといてよ。  お前も月乃の声聞きたいだろ?」 「……まあ。  でも天のテクニックが足りないんじゃないのか?  声なんて、気持ちよかったら我慢忘れるさ、  なあ月乃、そうだろ?」 「っ、あ、んっ!」 「…………あぁ?」 天を挑発しながら、一夜が不意打ちのように ぐちゅりと月乃の耳に舌を差し込めば、 月乃は体を震わせて思わず声を出してしまう。 それに、天は不満そうに眉を吊り上げた。 「……俺のテクじゃ足りねぇって?月乃?」 「っ、ちが、っ……いきなり、っあ、ゃっ……!」 「そんなにヤってねえから手加減してやろうって  優しい優しい俺は思ってたんだけどなあ」 「ま、まって、そんなことねぇって、  そら、っ……っ、あ゛、あっん……!」 天がべろりと首筋を舐めあげ、強めに乳首を捻ると 月乃はたまらず声をあげてびくびく震えてしまう。 まだ脱がされていない下半身の服。 それにちらりと視線をやると、天は、つつ、と 指先で月乃の前を撫で上げた。 「~っぁ……!」 「お前、前から思ってたけどさあ、ドMだよねぇ。  俺の咥えてる時も……あ、そうだ一夜、  お前、月乃に口でしてもらった事ある?」 「ん?いや……してもらってないな」 「ふーん。  せっかくだしやってもらえば?  普通に上手いよ、ちょっと腹立つくらい」 胸から手を離して、月乃の髪を掴んだ天は そのまま月乃の顔を一夜の下半身へと近づけていく。 その乱暴な扱いと勝手な提案に 月乃は反論しかけたものの、ズボン越しに 一夜のものへと鼻先を押し付けられ、反論を潰された。 「……月乃の口に、入ればいいけど」 「何、お前のそんなでかいの?  月乃がばがばになったらどうしよ」 「……はは、そこまでじゃないかもな。  ほら月乃、やってもらえるか?」 「……、……っ……悪、趣味、だ……」 カチャカチャと音を立て、ベルトは一夜が外し、 ホックも取ったが、そこまでで。 それきり、月乃の頭を撫でて催促してくる一夜と 腕はやんわりと一夜の首から外して掴んでくる天に、 月乃は諦めたように一度目を瞑り、 目元まで赤くしながらファスナーを噛んでゆっくり引き下ろした。 「うわ、えろーい、月乃」 「……黙っててくれ、噛みそうだ」 「はは、それは困るな」 「……、……ん……」 ボクサーパンツからも口でそれを取り出すと、 裏筋を舐めあげてからそれを咥える。 何を教えるでもなく知っている月乃に、 ほんの少しだけ苛立ちはするが やはり全部は咥えきれない月乃を見て 一夜は満足そうに口角を上げる。 「……ん、んぅ……んむ……」 「……っ……はは、やっぱり、上手いんだな……」 「だろ?  ていうかお前のエグいね、  これ、後ろちゃんと開発したら  月乃壊れるんじゃないの?」 「っん゛……!っふ、ぅ……っん……」 なんでもないように言いながら両胸をいじめる指を 止めることなく、天はくすくす笑う。 月乃は時折体をびくつかせつつも 懸命に一夜のものを咥えているが、 上手いことは上手いものの、一夜はまだまだ余裕そうだった。 「んー……まあ、その辺の女よりはいいんだけど……」 「んぅ……、……は……っ、だ、って、君の……  おおきい、から、全部はむりだ……」 「……そうだな……ああ、月乃……  悪いな、喉、使ってもいいか?」 「は……っ?  っ、ん゛ん゛ぅ、っ!?」 何の事だ、と言うように眉をしかめた月乃と、 背後で、うわぁ、と声を漏らした天。 その反応とほぼ同時に、一夜はがしりと月乃の頭を 両側から掴むと、自分のものを月乃の喉奥まで 一気に突き入れた。 勿論そんな事を予想していなかった月乃は噎せ返りそうになるが、 それすらも許してもらえず、そのまま口の中を好きに擦られる。 「ん゛む、っ、んんぅ゛っ、!」 「……は……っ、月乃、いい顔……っ」 「……お前が予想以上に鬼畜で俺びっくりだわ」 言葉通り、道具のように喉奥を使われるそれに 月乃の目には涙が溜まり、しかし一夜にされるがまま 受け入れるしかない。 勿論、天も大人しくしているわけがなく 好きに月乃の体を触るものだから、月乃はたまったものではなかった。 「んぐ、っ、んん……ぅ、っ!」 「駄目だな……月乃を見てると、酷いことしたくなる。  ……は……っ、まあ、ゆるしてくれ……っ、」 「んん゛~、っ……!」 苦しそうな月乃に興奮したように 少し上ずった声で擬似的な抽挿を繰り返す一夜は 嗜虐を滲ませた笑みを浮かべると、そのまま どくりと月乃の喉奥へ欲を叩きつけた。 「っ、ん……は、ぁ、っ……!っ、げほ……っ!」 「……ん。  気持ちよかった、ありがとう月乃……」 「~っ、君なあ……っ、急に、なに、っぁん…っ!?」 「ははっ、お前ほんとドMだな、  何、今のイラマでイったの?音すごいんだけど」 「っゃ、あ、っぁ……そら、っやめ、ろ……って…!」 涙目で一夜を睨んで怒ろうとした月乃は ぐちゅ、と水音をたててズボンごと自分のものを揉まれ、腰くだけになったように崩れ落ちる。 そんな月乃に覆い被さった天もまた、 一夜と同じく嗜虐たっぷりに、月乃の耳元で 悪魔のような囁きを。 「こんだけ濡れてんならさ、  後ろ、自分で拡げてみよっか、月乃。  ほら……俺のテク、物足りないって  声抑えてただろ?な?」 見ててやるから、なんて言いながら、 一夜に凭れさせるように月乃の向きを変えて座らせる 天は本当に悪魔なのかもしれない、と 月乃は真っ赤な顔で自分のベルトを外しながら そう思った。      

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