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第33話

「ヤバっ、龍のこの格好だけでイケる気がする」  自身の服を急いで脱ぎながら怜司が告げたら、浩司はそのセリフに呆れて鼻で笑う。笑われたことにイラっとして、服を脱ぐ手を止めて無言で睨む怜司に、目の前で手際よく服を脱ぎながら浩司が話しかけた。 「玄関で勉強中に、龍の上目遣いであらぬ妄想をするくらいだからな。どんだけ溜まってんだよ」 「兄貴はヤり慣れてるから、そんな軽口を叩けるんだ」 「ヤり慣れていても、好きな相手は別物さ。俺は逆に緊張する」  全裸になった浩司はその場にゆっくり腰をおろし、龍の顔を覗き込んだ。 「緊張すると言いながら、しっかり勃ってるクセに」  遅れて全裸になった怜司も、浩司の反対側にしゃがみ込む。ふたりに挟まれる形で横になっている龍は、未だに起きる気配がなかった。 「怜司のソレ、サイズが大きすぎるだろ。俺は普通のゴムしか用意してないぞ」 「龍にたいする気持ちが、大きさに比例してるからな。ちゃんと自分のサイズに合ったものを用意してる」 「龍の躰の負担を考えたら、最初は俺から挿入するほうがいいと思うけど、そこのところを理解してくれると助かる」  目に見える方法で龍への気持ちをアピールした怜司に、浩司は龍のハジメテを自分が貰う権利を主張した。怜司は覗き込んでいた龍から浩司の顔に視線を移し、なにかを言いかけて口を噤む。 「怜司……」  悔しそうな表情で自分を睨む弟を諭さなければと、浩司が言葉を選んでいると。 「わかってる。龍がつらくならないように、ナカを馴染ませなきゃいけないんだろ。未経験の俺が最初にヤっちゃうと、加減しないで突っ込む恐れがあるわけだし、傷つけてしまうかもしれないから」 「ああ、俺がちゃんと道を作る。それまで悪いが我慢してくれ」 「それにしても龍の躰、俺らと違って華奢だよな。腰がすっげぇ細い」  怜司が暗い雰囲気を払拭するような話題を提供した。それにノるように、浩司も声を弾ませる。 「中二の頃から見たら、少しだけ骨格はしっかりした感じだけど、手荒に扱えないよな」 「ピンク色した陥没乳首が健在なのは、ホント色っぽい」  言いながら怜司が右側の乳首に自身の先端を押しつけて、感じるようにぐりぐりしたら、浩司も真似して、反対側の乳首に自身の先端をくっつけ、弧を描くように動かす。 「ん、ぁ……」  龍の唇が半開きになり、甘い声が漏れ聞こえた。ふたりがかりの愛撫で、陥没していた乳首が次第に硬くなり、押しつけられる先端に反発するように飛び出る。適度に漏れ出る先走りで濡れているせいで、感度が二割増しになった。  だが龍が起きない以上、感度があがってもふたりのテンションはフラットのままで、今一つ物足りない。 「兄貴、どうやって龍を起こす?」 「そうだな。ふたり同時に、龍の耳の穴を責めるっていうのはどうだ?」  浩司が龍の弱点になっているところを指摘したことで、怜司は迷うことなくOKし、ふたりは動かしていた手を止めて、龍の顔に近づく。お互い目を合わせて頷き、いたずらを先導した浩司が口パクで「せーの!」を言ったタイミングで、それぞれ龍の耳の穴に舌先を突っ込んだ。 「んんっ……ぁっ…っぁあ!」  執拗に責めるふたりからの口撃で、龍の目がぱっと見開かれた――。

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