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第7話 夕方

連休という格好の条件に、翔は友達の家に連泊するらしい。 おばさんが、帰って部屋の片付けでもすればいいのにとボヤいていた。 僕は昼御飯を食べた後、一度家に戻った。 お母さんが帰ってきていたからだ。 「ゴメンね、結斗~!翔君のお母さんには電話しておいたから!」 だけど、お母さんが家に居た時間は、ほんの三時間位で夕方には電話が入ってしまい仕事で出掛けて行った。 きちんと、近江家に僕を託して。 お互いキャリアバリバリの二人だから、お母さんとおばさんは理解しあっていて仲が良い。 なので、僕と翔は小さな頃から家を行き来している。 最近は、僕ばかりがお世話になってしまっているけど…。 僕が隣の家に行くと、出掛けのおばさんに鉢合わせた。 綺麗に化粧をし直していた。 「いらっしゃい!おばさん、これから仕事なのよ~!ゴメンけど、夕食宜しくね!」 それだけ言うと、慌ただしく出て行った。 「結斗?早く入りなさい」 「わっ!」 僕が見送っていると、背中に声を掛けられた。 おじさんが上半身裸で立っている。 その姿にドキッと心臓が跳ねた。 おじさんの髪が少し濡れている。 胸が逞しく腹筋が割れていて、普段目にしない裸体が眩しく感じる。 ボクサーパンツ一枚。 中心が大きく盛り上がっている。 「あ…。ご飯作るね」 僕は胸のドキドキする音が、おじさんに聞こえないように祈りながら横をすり抜けた。 僕がマイエプロンを身につけて冷蔵庫から具材を出すと、おじさんが来た。 「今晩は、なぁに?」 いつものやり取り。 ただ、いつもと違ったのは、おじさんが肩に手を掛けてきた事だ。 「…っ、今晩?えっと、その…簡単に魚をソテーにしようかなって…!?」 内心慌てて応える僕に気がつかないようで、おじさんは腕を何故か前にと滑らせてきた。 「いつも本当に助かるよ~」 おじさんは嬉しそうに声を上げると、頬を擦り付ける。 「ありがとう…!」 それだけ言うと、おじさんは離れて行った。 触れ合った頬が熱い。 子どもの頃から何度もあったはずの行為が、特別に感じる。 「…?」 台所で僕の時間は暫く止まっていた。

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