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第12話 過ち
おじさんに舐められてイってしまった。
初めてのキスは好きになった女の子で、勿論初めてのエッチは…考えても無かったけど、それは男の人では無かったはずだ。
ましてや、幼馴染みの父親だなんて思いもしなかった。
海里おじさん…。
霞がかった頭で考える。
おじさんは何で僕にエッチな事をしたんだろう。
今までエッチな事をされた事は勿論記憶にない。
昨日初めてあんなことをされて驚いた位、僕たちの間にそんな雰囲気は無かったはずだ…。
第一に、おじさんは結婚していて子どもも居て…素敵な奥さんだって居るのに。
何で僕にこんな事をしたの?
「ふふふっ。イクときの顔がとても可愛かったよ、結斗」
おじさんが伸び上がってきて、僕の頬に唇を寄せてきた。
「この部屋の照明を新しい物にしておいて正解だったな」
おじさんが、ひっそりと笑った。
「結斗の色っぽさが際立った」
「…」
こんなエッチな事をしたら駄目なのに、今は体がいうことをきかない。
「…おじさん。僕、男だよ?」
ぽつりと僕が呟けば、おじさんはキョトンとする。
「知ってるよ。小学生の頃には一緒にプールにもお風呂も入った。今さっきも結斗のカワイイ男のコをたーっぷり、舐めてあげただろう?」
そう言われて思いだし恥ずかしくて顔が熱くなる。
「本当に、おっぱいもおちんちんも最高に美味しかったよ!」
そんな訳無いと思う。
「おっぱい、無いもん」
「結斗の場合は、ちっぱいね~。でもおちんちんは在るから男の子なのはしっかり認識してるよ。女の子と間違えてないから安心しなさい」
それはそうだけど…でも答えになっていない。
「あ~。何てカワイイんだ、結斗は…俺の天使だよ」
再びうっとりとしながら抱き締められる。
「…おじさんは、」
何故僕にこんな事をしたのか、訊こうと勇気を出したとき、階下で音がした。
「!?」
僕が慌てた様子で顔をドアに向けると、おじさんが溜め息をついた。
「どうやら翔が帰って来たみたいだな…」
残念そうに、おじさんが体を起こした。
「翔が居るのに、これ以上は残念だけど出来ないな」
その言葉に僕は、おじさんが家族に対しての罪悪感を取り戻したのだと思ったけれど、それは間違いの様だった。
「さすがに本番したら、隣の部屋に丸聞こえだしな」
翔の部屋は、僕のあてがわれた部屋の隣だ。
「結斗のカワイイ声を聞かせる訳にはいかないしね」
なんてセリフを吐きながら、側にあったタオルで僕の胸と下半身を丁寧に拭いていく。
他にも気がつけばベッドサイドに色々と用意してあって、背中がゾワワとなった。
本当に僕を犯しに来ていたんだ。
それから拘束していた腕を解放してくれた。
僕は少し赤くなった腕を反対の手で擦った。
「ごめんな、結斗」
おじさんが謝ってくれた。
確かに少し腕が痛いから…。
「続きをしてやれなくて…次は最後まで愛し合おうな」
なんて言われて思わず口が開いていた。
おじさんは次こそは最後までセックスするつもりなんだ。
驚きに口が開いたままになる。
それに勘違いをしたのか、たまたまなのか、おじさんが濃厚なキスをお見舞いしてくれた。
クチュン…チュパ、チュパ、レロ、レロ
最後に唾液を送り込まれる。
僕は呑み込めないから顔を背けようとしたが許されず、結局ゴクッとおじさんの唾液を飲んでしまった。
そして、離された唇。
二人の間に糸が引かれた。
「独り寝は寂しいからね…でも、さすがにマズイかな?」
おじさんは僕のパジャマのボタンを留めていく。
早く部屋を出ていってくれないと、翔に変に思われる!
「さて、今日はもう寝よう」
出ていくと思っていたおじさんは、平気な顔をして隣へ寝転んだ。
「え…え?」
驚きに顔を変えた僕を見て、おじさんが笑った。
「どうしたんだい、結斗。おもしろい顔をして。まぁ、その顔も可愛くて仕方無いんだけどね。写真に撮っておきたかったな~」
嬉々として言うのだから。
「お、おじさん…!翔に見られたら変に思われるよッ」
そうだ。こんな歳した幼馴染みが自分の父親と同じベッドで寝ているなんて子どもが見たら怪しむに決まってる。
けれど、おじさんは何処吹く風といった様子だ。
「大丈夫だよ。翔が夜中にこの部屋に入ってくる事は無いよ。あの子も疲れてるから直ぐに自分の部屋に入るさ」
「で、でも万が一…」
「万が一は無いよ。…ほら、もう目を閉じて。いい夢を…」
ちゅっ
もう一度キスを今度は額に落とされる。
おじさんは横向きで、僕を抱き抱えるようにして目を閉じた。
暫くしてから隣のドアの開閉音がした。
静かだ。
今夜は寝れないと思っていたけれど、初めての経験に疲れていたらしい。
おじさんの寝息を子守唄にして、いつの間にか僕も眠りについていた。
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