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第15話 未解決
自転車でまだ明るいうちに自宅へと帰る。
夏なので、帰った頃には汗をかいていた。
玄関の鍵を開けて中に入ると、僕は鍵を掛ける。
ひとりで居ることの多い僕は、戸締まりや火の用心、洗濯物の心配等を物凄くしてしまう。
だから一度翔に「おまえは主婦かっ!」って、ツッコミを入れられた事がある。
そういえば、それを聞いたおばさんが「主婦は大変なのよ!ね~結斗君」なんて言ってた。
そして隣に座っていた海里おじさんが、
「結斗奥さんの為なら、俺が何でも手伝ってあげるよ」
ニッコリ笑って肩を抱き寄せてきた記憶が甦る。
思い出すと恥ずかしくて顔が赤くなる。
考えすぎだろうとは思う。
だけど、その頃にはおじさんは少なからず僕の事をかわいいと思ってくれていたのかもしれない。
まさか、エッチな事もしたいって考えてた?
どんな風にやりたいって考えていたのかな?
僕は、我に返った。
いけない事なのに、思考はどんどんとエッチな方へと流されていく。
このままじゃぁ駄目だ。
僕は、汗を流そうと浴室へと向かった。
お風呂から上がって髪の毛を乾かして、麦茶で喉を潤す。
晩御飯は夕方にカフェで食べたからあまり欲しくなかった。
だけど、お母さんの晩御飯は必要だから簡単に炒めものと炒飯に中華風スープを作った。
少しだけ食べてから、片づけをする。
歯を磨いてリビングへ戻って時計を確認する。
時計の針は九時を指そうとしていたけど、お母さんが帰ってくる気配は無い。
そこで携帯を見てみると、着信が入っていた。
お母さんからで、時間的に僕がお風呂に入っていた頃だ。
僕が電話に出なかったからか、文字でメッセージが送ってあった。
〈結斗、ゴメンね。お母さん急遽出張になりました。なので、帰るのは明後日になります。近江さんに頼んであります。翔君と仲良くして、お母さんが帰ってくるのを待っててね!では、行ってきます!本当の本当にゴメンね!〉
翔よりも僕は、おじさんが問題なんだよ、お母さん!と言いたい。
結局、問題解決も打開策も、そして僕のおじさんへのメッセージへの返しも出来ないまま自分の部屋のベッドに潜り込んだ。
明日からどうしよう…。
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