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第16話 夢(R)
あれだけ悩みに悩んでいた僕だけど、いつの間にか眠っていた。
昔から考えることは苦手で、しかも楽天的な性格をしている。
よく皆から「天然」なんて言われてきたけど、僕はそうでもないと思うんだよね。
だけど言われてみれば、悩んでいても翌日には(まぁ、いいか)なんて結論に至ることも、しばしばだ。
そんな性格が発揮されたのが今回の件だ。
おじさんの事をいけない事をしたという責める自分と、普段のおじさんの事を思い出してほだされる自分が存在していた。
呑気なはずの自分が夢の中まで、おじさんの事で悩んでいるなんて…どういう事だろう?
寝てしまえば明日になる。
明日になったら考えよう。
なんて思ったのに、夢はおじさんとの思い出で溢れていた。
小さい頃から仲良しなお隣さん。
僕の思い出は、お父さんよりもおじさんとの方が多い。
初めての映画も海水浴もキャンプも海里おじさんと。
参観日も運動会も海里おじさんが来てくれた回数の方が多い。
高校の入学式は、海外単身赴任中のお父さんは仕方無いとして、お母さんまで海外出張となり結果おじさんが来てくれた。
だから僕のアルバムを開けば、海里おじさんが一緒に写っている写真が沢山あるんだ。
…明日見てみよう。
寝ているのに、脳が考えることを止めてくれない。
おじさん、おじさん、おじさん。
おかしくなる…。
考えることを放棄しかけた脳が次に、昨夜の出来事を思い出し始める。
おじさんの唇と僕の唇が濃厚に絡む。
その唇が僕の乳首に勢い良くむしゃぶりついてきた。
それから大切な場所を見られて…。
熱い舌が、ねっとりと絡んできて…。
「ん、…ふぅッ」
鼻にかかった声が漏れる。
夢のはずなのに、体が何故か高ぶってきたのだった。
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