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第92話 いいよ?
海里おじさんのこんな姿は正直初めて見る。
だから、いいかなぁ~?と思ったりしたけど…でもなぁ。
そこまで脱がせることに拘る訳も理解出来なくて、渋ってしまう。
「結斗。俺は今まで関係を持った相手の服をおばさん、美奈も含めて脱がせたことは正直、無い」
突然何を言い出すのかと思えば、そんな事を堂々とした態度で告白する。
それって、今までの相手がどれだけ居たのか知らないけど…って、相当居たってことでしょ?
「 つまりは、今までは相手が自分から脱いだって事?」
「そう。だから結斗さえOKしてくれれば、今日が俺の初めてになる」
そんな初めてなんて、どうでもいい。
けど…。
おじさんの初めてかぁ…。
僕の初めては全部おじさん。
おじさんの初めては、殆ど過去の女の人たちが持っていってしまっている。
おばさんにも…。
どうでもいいなんて思っていたのに、その考えが覆りそうになっていく。
僕がおじさんの初めての相手になるなんて、ちょっと嬉しいかも。
「おじさん…。じゃぁ、いいよ?」
ドキドキしながら海里おじさんに伝える。
恥ずかしくて下を向いていたらソッと顎を掴まれた。
「あっ」
それから顔を上へと向けられる。
「結斗」
おじさんの顔が真剣だった。
さっきまでの情けない顔は何処へ行ったのかと思う。
別人の様でドキッとする。
「嬉しいよ」
チュッ、チュパッ、チュウッ…
おじさんの唇が、おでこ、唇、耳の下へと当てられる。
「…あ、んっ」
唇が吸い付いた場所が熱を持つ。
気持ちよくて、力が抜けそうになる。
そんな僕をおじさんが支え、壁へと張り付けられる。
プチッ
長くて綺麗な指が、僕の首に掛かるリボンをほどいていく。
シュルッ
リボンが床へ落とされた。
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