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第118話 落ち着きました~!

ホームに着いた電車に乗り込む。 僕がいつも乗る電車とは違って、どうやら相当込む時間帯みたいだ。 雪崩れ込むと、四方八方からギュウギュウと押されてしまう。 これって圧死しちゃうよ~‼ ベソかきそうな僕とは対照的に、国見くんは余裕綽々で比較的新鮮な空気を吸っていた。 身長の差が、こうも影響するなんて。 僕は周囲の知らない人達の吸いたくもない体臭を嗅ぎながら、体を潰されていた。 「!?」 だけど、少ししてから急に体が楽になった。 国見くんが僕を抱え込むようにして自分の胸元の空間へ入れてくれたのだ。 背が高くて、体格の良い国見くんだからこそ出来ることだと思う。 「あ、ありがと」 「別に…」 僕がお礼を言うと、国見くんはボソッと返してくれた。 照れているのか顔を背けて…。 「ふふっ」 なんだか可愛い。 自分よりも大きく逞しい彼にそんな事を思うのは違うだろうけど、そう感じてしまったのだから仕方ない。 「…」 おじさんも、こんな感じで僕をいつも包んでくれている。 国見くんに寄り添いながら、僕はやっぱり海里おじさんを思い浮かべてしまっていた。 今日は朝から生きる気力が湧かなくて…ダメそうだった。 そうこうしているうちに、学校へと辿り着く。 国見くんは大層のんびりな足取りで、遅刻してしまうかと思って内心焦っていた僕だ。 だけど、国見くんの遅刻ギリギリ登校をしているというのは間違いではなく無事に時間内に辿り着くことが出来た。 おじさんからの連絡が無くて落ち込んではいても、基本真面目に生きている僕からすると遅刻は出来るだけ避けたいモノだ。 長身の国見くんは普通に目立つ。 翔と一緒に居るメンバーだという事も、イケメンという事も目立つ要因に違いなく、地味な僕が隣を歩いている為か不思議そうにチラチラ見られていた。 っていうか、結構ガン見されている。 「何ソワソワしてんだ…おい、落ち着け」 視線に慣れない僕は、不審者並みにソワソワしてしまい、またしても国見くんからデコピンを頂戴するハメになった。 「痛い」 僕はおでこを両手で擦った。 お陰様で、落ち着いたけどね…。

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