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第123話 悩み事
おじさんから連絡を貰ってから、僕は気持ちが軽くなって次の日には元気になっていた。
なんて単純なんだろう。
でも、これって好きな人のくれる力だと思う。
今まで好きな人がいなかった僕にとって、おじさんという恋人の存在は本当に大きなものになっていたみたいだ。
それでも顔も見られず、連絡も無いのは淋しいんだけどね…。
いけない、我慢、我慢‼
僕が教室に顔を出すと、既に来ていた陽くんがトコトコやって来た。
「おはよ、結くん‼」
「おはよ、陽くん‼」
お互いにニヘラ~と笑う。
「結くん、元気になったみたいだね」
陽くんが嬉しそうにそう言ってくれたので、僕も嬉しくなった。
「うん。心配かけてゴメンね」
僕が謝ると、陽くんが顔の前で軽く手を振りながら苦笑した。
「全然、そんな事ないよ。元気な結くんと話出来て嬉しいもん」
かくいう陽くんの元気はどうなんだろう?
ちょっと顔色イマイチな気もするけど…。
「陽くんは大丈夫なの?何だか顔色が…気のせい?」
陽くんの肩がギクッと揺れた。
やっぱりだ。
「悩み事とか遠慮なく言ってよ?僕に黙ってる必要なんて無いんだからね‼」
ちょっと怒った風に言うと、陽くんは情けなく眉を垂らした。
「う~ん。…いや、やっぱりいいよ。また今度困った時に話するから」
「ん~そう?」
「そうそう!だから大丈夫。心配ないって」
陽くんがいつも顔で笑った。
まぁ、表情は微妙だったけどね。
「じゃぁ、そういうことにしておこう。絶対に言ってよね⁉」
陽くんが大きく頷いたので、僕は一応納得して話題を変えた。
それからは陽くんもいつもの陽くんだった。
どんな悩み事なんだろう?
ちょっと気になるかも。
僕の悩み事はというと、半分以上は海里おじさんの事だ。
恋をしているとしてないとじゃぁ、僕の悩み事の量は桁違いだ。
えっ⁉もしかして、陽くんも⁉
…恋をしているの、かなぁ~?
んんんん~?
僕が疑り深い顔をしていたのだろうか。
陽くんに「怖いよ、結くん」と言われてしまった。
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