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第43話 恋人とは甘いもの(R)

その日はお尻の…そのっ、おじさんを受け入れた場所が痛くて無茶が出来なくて寝たまま過ごした。 おじさんが側に居て、見守ってくれていたけど…。 お、落ち着かない! 食べさせて貰ったのも恥ずかしかったけど、優しく見つめられるのもダメだ。 体を重ね合わせて、アンナトコロやコンナトコロまで見たり、舐められたり…おちんちんも入れられたんだから。 その方が恥ずかしいはずなのに、何故か僕に向けられる眼差しに悶えそうになる。 視線が熱いんだ。 それに、おじさんは何度も囁くんだ。 『俺達、恋人になったんだな。嬉しいよ、結斗…』 そう言っては頬を包み込み、チュッと顔の至る所にキスを落としていく。 何度も何度もするもんだから、恥ずかしくて居たたまれない。 キスの前後には必ず見つめてくる海里おじさん。 整った顔。 キリリとした眉。 熱を浮かべた瞳。 筋の通った形の良い鼻。 優しい微笑みを湛えた唇。 熱い吐息と一緒に触れられると、恥ずかしすぎる! おじさんってば、そんな僕の脳内格闘なんて全く気がつかないんだから。 そっとしておいて欲しいよ~。 「結斗。何か欲しいものあるか?」 さっきから何度もこうして聞いてくるんだ。 「おじさん…ありがとう。何も要らないよ。今はこうして寝てる方がいいもん」 「そうか?」 「うん」 表情からおじさんの心配している様子が伝わる。 温かい大きな掌が頭を優しく撫でてくる…嬉しい。 だけど、あんまりにも構われ過ぎて困るんだけど…。 寝たいけど、妙に目が冴えて眠れない。 心臓が壊れそうにドキドキする。 エッチの時にするドキドキとは違う。 ソワソワして、微笑まれると困って…でも嬉しい。 …恋人って、こんなものなのかな? 正真正銘、初めての恋人だからどうしていいか分からない。 女の子とも付き合った事がないし、僕の仲の良い友達も似たり寄ったりのタイプだから、もちろん彼女なんて居たことない…だから話題にも上った事がない。 ~♪ 僕がう~んと眉間に皺を寄せたと同時に、室内に着信音が流れる。 「あ、すまん。会社からだ」 有休とって休んだといっても急な事だったから会社の方も大変なんだろうなぁ。 「おじさん、仕事忙しいんでしょ?僕は大丈夫だから…」 「仕事は気にするな」 構わず行ってもいいよと言う前に、おじさんは笑顔を浮かべ出ていった。 「恋人かぁ…」 おじさんを見送ってから、ベッドの上でひとり呟く。 おじさんに言われて思わず頷いてしまい、恋人という立場になってしまった。 何であの時断らなかったのかと思ったりもする。 だけど、僕の気持ちはいつの間にかおじさんへと傾いていたみたいだ。 だから頷いた。 強引に奪われた体。…だけど… これが自然な形だと思う。

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