45 / 131

第45話 真夜中の練習(R)

「あの~その~、おじさん」 「おじさんじゃなくて、海里さん!」 そんなことを言われても急には無理だよ。 恥ずかしくて無理、無理。 僕が口をつぐんでいると、おじさんは益々僕をタコさんにしてくる。 「ヴ~~~ッ」 そしてタコさん口の僕へと、ちゅっちゅちゅっちゅとキスをしてくる。 苦しい、苦しい、息できない~ッ! ギブアップと訴えて、おじさんの手を叩く。 「はぁっはあっ、も、もうやめてぇ~」 ガックリと体の力を抜くと、おじさんが抱き締めてくれた。 「なら海里さんって呼んでくれ」 「…」 「結斗?」 そんな顔で言われても、言えないよ! 「恥ずかしい…」 そう言うと、おじさんがキスをひとつ。 「練習しようか」 練習?ってまさか…。 「海里さんって呼んで」 「…」 やっぱり言えないでいると、おじさんが僕を押し倒してくる。 「きゃふっ!?」 倒されておかしな声が出てしまうけど、そんなの構ってられない。 転んだ僕のパジャマのズボンが脱がされる。 「わわっ?」 それからパンツも脱がされた。 「おじさん何するの!?」 ニヤッと笑ったおじさん。 それは、おじさんがイタズラする時の顔だ。 「おじさんじゃなくて、海里さんだろ?」 僕のおチンチンをギュッと握り締める。 そして下から上へ、上から下へとゆっくりと撫でていく。 「んっ」 微妙な刺激にピクリと腰が震える。 このまま刺激を続けて、僕が達きそうになると達かせてくれないパターンなのかな。 そう思うと早く名前を呼んでしまった方がいいのかも。 「よ、呼ぶから!」 ピタリと手の動きが止まる。 「本当に?」 おじさんが心底嬉しそうに笑顔を浮かべた。 「う…」 深夜のリビング。 時計の音が響く中見つめ合う。 二人だけの世界にいるような錯覚さえ覚えてしまう。 おじさんの目に吸い込まれてしまいそうな…。 「ほら、言って!」 おじさんに促されて口を開きかけた僕は、ハッとなった。 「結斗?」 僕はおじさんを見つめて意見を言わせてもらった。 「こんな格好で初めて名前を呼ぶなんて嫌だから」 下半身だけスッポンポンで、尚且つおじさんにおチンチンを握り締められた格好でなんて…嫌すぎる。 「…暫くお待ちください」 「……………」 「次こそは頑張って言うから…ね?」 「次っていつ…」 「えっ。えーと…え~」 いつ言おうかな…考えてなかった。 僕は頭を回転させて、思いついた。 「そうだ!おじさんの誕生日もうすぐでしょ?」 おじさんの誕生日は8月。 その日に言うなんて、特別だと思うんだけど…どうだろう? そう思い、おじさんを見ると目を見開いている。 「…だ、ダメ?」 おじさんはニッコリと満面の笑顔を見せた。 「それが断然良い!その日まで楽しみにして過ごすよ」 僕はその日までには言えるように努力しておくよ…うぅっ。

ともだちにシェアしよう!