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第45話 真夜中の練習(R)
「あの~その~、おじさん」
「おじさんじゃなくて、海里さん!」
そんなことを言われても急には無理だよ。
恥ずかしくて無理、無理。
僕が口をつぐんでいると、おじさんは益々僕をタコさんにしてくる。
「ヴ~~~ッ」
そしてタコさん口の僕へと、ちゅっちゅちゅっちゅとキスをしてくる。
苦しい、苦しい、息できない~ッ!
ギブアップと訴えて、おじさんの手を叩く。
「はぁっはあっ、も、もうやめてぇ~」
ガックリと体の力を抜くと、おじさんが抱き締めてくれた。
「なら海里さんって呼んでくれ」
「…」
「結斗?」
そんな顔で言われても、言えないよ!
「恥ずかしい…」
そう言うと、おじさんがキスをひとつ。
「練習しようか」
練習?ってまさか…。
「海里さんって呼んで」
「…」
やっぱり言えないでいると、おじさんが僕を押し倒してくる。
「きゃふっ!?」
倒されておかしな声が出てしまうけど、そんなの構ってられない。
転んだ僕のパジャマのズボンが脱がされる。
「わわっ?」
それからパンツも脱がされた。
「おじさん何するの!?」
ニヤッと笑ったおじさん。
それは、おじさんがイタズラする時の顔だ。
「おじさんじゃなくて、海里さんだろ?」
僕のおチンチンをギュッと握り締める。
そして下から上へ、上から下へとゆっくりと撫でていく。
「んっ」
微妙な刺激にピクリと腰が震える。
このまま刺激を続けて、僕が達きそうになると達かせてくれないパターンなのかな。
そう思うと早く名前を呼んでしまった方がいいのかも。
「よ、呼ぶから!」
ピタリと手の動きが止まる。
「本当に?」
おじさんが心底嬉しそうに笑顔を浮かべた。
「う…」
深夜のリビング。
時計の音が響く中見つめ合う。
二人だけの世界にいるような錯覚さえ覚えてしまう。
おじさんの目に吸い込まれてしまいそうな…。
「ほら、言って!」
おじさんに促されて口を開きかけた僕は、ハッとなった。
「結斗?」
僕はおじさんを見つめて意見を言わせてもらった。
「こんな格好で初めて名前を呼ぶなんて嫌だから」
下半身だけスッポンポンで、尚且つおじさんにおチンチンを握り締められた格好でなんて…嫌すぎる。
「…暫くお待ちください」
「……………」
「次こそは頑張って言うから…ね?」
「次っていつ…」
「えっ。えーと…え~」
いつ言おうかな…考えてなかった。
僕は頭を回転させて、思いついた。
「そうだ!おじさんの誕生日もうすぐでしょ?」
おじさんの誕生日は8月。
その日に言うなんて、特別だと思うんだけど…どうだろう?
そう思い、おじさんを見ると目を見開いている。
「…だ、ダメ?」
おじさんはニッコリと満面の笑顔を見せた。
「それが断然良い!その日まで楽しみにして過ごすよ」
僕はその日までには言えるように努力しておくよ…うぅっ。
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