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第4話

それはいいとして、長谷には聞いておきたい事がある。 「なぁなぁ、長谷さんよぉ…」 「…な、に?…」 「コレの件なんだけど…」 無駄に力が入った手の中で既に細長くなって原型を無くしている湿った果たし状を見せた。 「…よ…読んで、くれた…の?…」 表情までは見えないが、ギリギリ見える頬がなぜか薄っすらピンクになった。 「読むだろ。つか、読んだからこうして今ココに居るんだろ。」 「…そ、そう…だよね…」 「つか、こんなおっかない物を無視して因縁とかつけられたらたまらないからな。」 「…おっか…ない?…」 「果たし状だろ、コレ。」 「…ち、違う…よ…」 「こんな折り方で、あんな内容が筆で書いてあったら果たし状だと思うだろうが!」 軽くチョップをくらわす。 「…あぅ…」 「しかも無駄に達筆!」 もう一発くらわす。 「あぅ…」 それが楽しくなって、もう3発くらわすとその全てに "あぅ" と返した。 「ったく、かなりビビったんだからな。」 「…ご、ごめん…。なに…書いたらいいか、分からなかった…」 「別に果たし状じゃないならいいけど。…で、どういうつもりでこんな物下駄箱に入れたんだ?」 「…え、と…」 長谷がまた俯いた。 なんだか、弱い者いじめをしている気分になる。

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