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第11話
そこは良しとして、わざわざ謝る為だけに呼び出したとは思えない。
「長谷、話ってそれだけか?」
「………あの…」
「俺、まだ昨日の返事聞いてないけど?」
「…ご、ご…ごめ……ぁッ!」
逃げ出そうとする長谷の手首を掴んだ。
「はーい、長谷さん、逃げないお約束。」
「…あ、ぅ……」
「さてさて、お返事を聞かせてもらおうか、長谷。」
(つっか、手首細ッ!!加減間違えたら折れるぞコレ…)
「…言う…から…」
「逃げないだろうな?」
「…逃げ…ない…」
「約束だからな。」
「…う、ん…」
掴んでた手を離すと、そこを擦りながら長谷が俯いた。
「…あー悪い、痛かったか?」
「ううん、だい…じょ…ぶ…」
「…そっか、ならよかった。」
「…あの、…僕…ほんとに…つ、…付き合う…とか…」
「考えてなかった?」
「…僕…なんかが、氷上くんと…なんて…」
俺となんて…
それは、俺なんてお断りだという事だろうか。
なんだかよく分からないが、少なからずショックを受けているのは分かる。
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