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第12話

フラれるなんて事は生まれて初めてだ。 まだ昨日のダメージも引きずっている。 だからショックを受けているに違いない。 別に長谷だからとかじゃなく、これが長谷じゃなくても同じようにショックを受ける筈だ。 長谷とは昨日初めて会ったも同然だ。 出会ったばかりの知らないヤツとすぐセックスに雪崩れ込める俺にとって、長谷だってそいつらと変わらない存在だ。 それでも、俺はどこかで長谷は特別だと思ってたのかもしれない。 長谷は、俺が初めて出会った人種だった。 こんなヤツは見た事なかった。 だから、特別だと思った。 興味を持った。 知れば知る程、それが些細な事でもワクワクした。 「じゃ、昨日の話は無しって事で。」 「…ぇ……あ、の…」 「俺なんか…なんだろ?」 「…ぼ、僕…なんかに…氷上くんは…もったいない…」 「は?」 「…たまに…少し…だけ…話、できるだけで…」 「…」 「…だから………つ、付き合う…とか…迷惑かける…」 「…」 「…僕が…氷上くんとなんて…釣り合うわけ…ない…」 つまり、俺はフラれてないらしい。 少しホッとしている俺が居る。 「…はぁ…なんだよ、フラれたかと思っただろ…」 息を吐いて脱力した。 どうやら俺の早とちりだったらしい。 「…ぇ…そ、そんな…ふ、フルだなんて…それこそ…」 「それこそ?」 「…おこがましい…」 長谷は、どうしてこんなにも自分を卑下する… 確かにダサいし、モサいし、どもるし、根暗だ。 でも、人とコミュニケーションが取れないでわけじゃない。 その証拠に、会話は成り立っている。 長谷をこんなにしてるのは、一体なんだ…

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