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第23話

まだ少しぐったりした様子で、ボヤボヤオーラ増し増しの長谷のモサモサを撫でくり回すと鳥の巣が完成した。 「裕太、一応倫也保健室に行かせた方がいいんじゃねーの?」 「大袈裟だろ。…長谷、保健室行くか?」 顔が隠れているせいで長谷の様子は分からないが、少しぐったりしているし心配になってくる。 「…ぅ…ん…」 保健室に行くというくらいだ。 具合が悪いに違いない。 「分かった。ほら、立てるか?連れてってやるから。」 椅子から立たせ手を握る。 「…だ、大丈夫…一人で…行け…る…」 「ダーメ。ほら、行くぞ。」 「…あ、あの…手…」 「いいから。誰も見ちゃいない。それとも、お姫様だっこで連れてかれたいか?」 「…や……恥ずか…しい…」 ブンブン頭を左右に振り拒否する長谷は可愛い。 折角の鳥の巣が壊されていく。 乱れまくりの髪を手ぐしで整えてあげた。 「裕太、お前ってそんな過保護だったか?」 「恭哉、おだまり。とりあえず担任には言っといてくれ。HRには間に合いそうにないからな。」 「りょーかい。倫也ぁ、裕太は過保護になったらしいから、沢山甘やかしてもらってきな。」 「…あ、甘やか…………ぅん…」 長谷は下頬をピンクにして俯いた。 これ以上恭哉に構っていると面倒な事になりそうだ。 長谷の手を引いて教室を出た。 俺のペースに長谷は小走りになりながら着いてくる。 それがカルガモのヒナのようで可愛い。 長谷がヒナだったら、兄弟の中で一番どんくさくていつも後ろを歩いている子に違いない。 長谷の全てが可愛く見えるだなんて、かなりの重症だ。 告白されたから付き合う… 流れに任せてセックスする… そんな生活をしてきた俺に、長谷の存在は刺激的で魅力的だ。 とはいえ、長谷は一応病人だ。 歩くペースを落とした。 でも、長谷が隣を歩く事はなかった。 腕二本分の距離が保たれている。 歩幅にして三歩といったところだ。 (長谷さんよぉ、武士の妻かっ!!) 控えめなところも可愛いとは思ったが、長谷の事だからきっと理由は別のところにあると思う。

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