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第20話

ジタバタしても仕方がない。 だけど、この先の事を考えると恐ろしい。 優しい筈の紘二が、こんな乱暴な事をするなんて… こんなのはあの人と同じだ。 あの人と同じ抱き方を紘二にされるかもしれない。 絶望的な気分になった。 「稑くん…」 俯せにさせられて、顔をベッドに押し付けられた。 後ろからは興奮した荒い息が聞こえた。 強く押し付けられてるせいで苦しい。 「ッぐ…ぅ…」 「ふふ、苦しいね、稑くん…」 楽しそうな声が聞こえた。 イカれてる… 俺が紘二を… 壊した… 紘二をこんな風にしたのは… 俺だ。 「ぅ…んん…ッぐ…」 息ができない… 苦しい… 「もう少し我慢してね、稑くん…」 「…こ、じ…ゃだ…」 僅かに出来た隙間から空気を吸い込み訴えた。 「駄目。止めてあげない。今日は折角ゴムもローションも買ってきたのに、必要なかったね?」 その言葉にゾクゾクして嫌な汗が出た。 ひんやりした感覚に、ズボンと下着を下ろされたんだと理解した。 そして、すぐ後ろで紘二がゴソゴソと脱いでる気配も… 「やめッ…ゃ…だ…」 「だから止めないって。聞き分けてよ。いつもの僕みたいに…」 紘二の力が弛んだ瞬間を見計らって逃げようともがくとガシッと髪を掴まれて引き戻された。 「痛っ…」 「まだこんな元気、残ってたんだ?怖くて動けないと思っていたのに。」 「…いい加減に、しろ…」 「うるさいっ!………うるさいよ、稑くん…」 そう言うとまた顔を押し付けられた。 「ぐ…ッ…ぅ…」 俺のソコを紘二の指先が擦った。 怖い筈なのに、久しぶりの感覚のせいか、堪らず震える自分が嫌になる。 「稑くんに挿入れるの久しぶりだね。もう狭くなっちゃったかな?」 「こ…じ…止め…ッ…」 そして、ソコに湿ったモノがあてがわれたのを感じた。 触ってもいないのに紘二のはもう硬くなって、濡れていた。 俺のはといえば、この先に待つ恐怖に、縮こまったままだった。

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