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第64話

深く深く… まるで、大好きなデザートを食べるみたいに… 甘くて懐かしい… 息をするのも忘れて、稑くんを貪る… 稑くんから漏れる声は甘くて… もっと… お腹いっぱいに食べたくなる… 僕の手は自然と稑くんの服の中に入り込んで肌を這い回った。 「ふ…ッ…ん…ぅ…」 久しぶりの稑くんの肌はすぐに僕の手に馴染んだ。 ゆっくり這い上がって突起に触れると稑くんがフルフル震えて鼻にかかった甘い声を漏らした。 そして唇が離れて、稑くんが僕を見た。 赤く上気した頬に、涙目… 僕を興奮させるには十分すぎて、ゾクゾクした。 「する、…のか?…」 「嫌?…稑くんが嫌がるなら、しないよ。」 もうあの日みたいにはしない。 大切に扱いたい。 「嫌、………じゃない…」 「嬉しい…触るね、稑くん…」 「もう…8年経ってんだ。」 「え?」 「だから、体型とかも、違うし…久しぶりすぎて…自分がどうやって紘二に抱かれてたか、とか…どうやって感じてたかとか…分からない…」 「そんなのは、僕も同じだよ。正直、触れ方とか手順とか諸々不安はあるけど、それでも稑くんに触りたい…」 「…恥ずかしいヤツ。」 そう言って稑くんは笑った。 「優しくする…大事に…」 「あぁ。…もうそういうのいいから…早く…紘二…」 「稑くんってさ、昔からセックスの時は素直だよね。」 「セッ…馬鹿、あんま露骨に言うな!…意識…するだろ…ただでさえ…」 「ただでさえ…なに?…」 「いろんな感情でどうにかなりそうなのに…」 可愛い… どうしようもなく可愛い… そう思わずにはいられなかった。

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