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第65話

本当はソファーもない、気休め程度の薄いカーペットの上でなんて稑くんの身体を気遣えば不本意だけど、もう待てない…とねだられてるのにあえて寝室へ連れて行くだなんて恥をかかせるようなものだと思う。 僕は仕方なしに稑くんをその場にゆっくり押し倒して組み敷いた。 シャツを徐々にたくし上げて、露になっていく場所から順番にゆっくり、唇や舌を這わせた。 時々少し強めに吸い付くと稑くんが小さく喘いで震えた。 ゆっくりゆっくり可愛がった稑くんの上半身に点々と残る鬱血痕に満足感を覚えた。 「はッ…ぁ…紘…二…ッ…」 「うん?…気持ちいい?」 「んン…きもちッ…」 「よかった…」 僕の唇が首筋を這う頃には丸まったシャツは床に転がっていた。 肌が混ざり合うくらい密着させて、全身で存在を感じながらするようなセックスが好き… だからシャツを脱ぎ捨てて、稑くんの体温や肌質、香り…全てを感じながら前戯を楽しんだ。 胸の突起がぷっくり主張してるのは知ってる。 稑くんが焦れてるのも知ってる。 それでも触らないのは、僕が意地悪だからじゃない。 大好物は最後まで残すタイプだからだ。 稑くんに至っては、焦らせば焦らすだけ美味しくなる事を知ってるからギリギリまで我慢する。 ギリギリというのは僕が…じゃなくて稑くんがという意味。 首筋に濃いい赤紫の痕を残すと同時に早くも稑くんのギリギリはやってきた。 「ン…ぅ…ぁッ…も、あんま…焦らすなぁ…」 半べそになりながらそう言う稑くんは可愛い。 稑くんの全部が可愛くて… どうしようもなくなる。 この気持ちの逃がし方… それは、これでもかって程甘やかす事… 結局、その結果また可愛いに戻っての無限ループ… 「優しくするって約束したでしょ?…」 「やだ…も、やだ…ぁ…さわって…紘二…ね…早くッ…」 グズる稑くんは、やっぱり可愛い。 年を取っても子どもみたいで… 愛おしい… 「分かったよ。僕としてはもう少し可愛がりたかったんだけどなぁ…」 指の腹で突起を捏ねると稑くんが喉をそらした。 さっきの首筋の痕がくっきり見えて、凄くいやらしい… 爪で弾くと全身が跳ねて、高い声を上げた。 舌先で転がして、唇で吸い上げるとビクンビクンと激しく震えた。 「んンぁ…あぁぁ…ッ…!」 「え…もしかして…」 下半身に何かジワジワとしたものを感じてハッとした。 「はっ…は、ぁ…はぁ…」 稑くんは荒い呼吸を繰り返した後、余程恥ずかしかったのかうつ伏せになって顔を隠してしまった。

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