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第75話

紘二が床にグシャグシャに丸まったシャツを取り、俺の腰に巻いた。 「な、おい、なんだよ、これ。」 「いや、本当に色々あれなんで、是非コレを巻いて洗面所へ…」 前言撤回… やっぱり紘二はヘタレだ。 「まったく…」 「うぅ、ごめん…」 シュンとする紘二の頭を撫でた。 「こういうところまで変わってたら少し淋しい…」 「え、なに?」 「はは、秘密。」 「え、なになに?」 「絶対教えない。…そんな罪悪感酷いなら…」 「うん?」 「…て、手伝ってくれよ…」 なにこんな恥ずかしい事言ってんのか自分でも分からなくなる。 確かに手伝ってほしいのは事実だけど、こんなストレートに言う事でもない。 昔から自分で処理するのは苦手だ。 絶対に残って腹痛になるし、自分で指挿入れて、腹に力入れてかき出しながらビクビク震えてるとか… ただの変態じゃないかと思う。 「え、なになに、聞こえないなぁ。」 明らかに聞こえてる。 そういうふざけた言い方だ。 「さっきの仕返しか?」 「ふふ、稑くんが否定するような意地悪をしたからだよ。…それで、僕はなにを手伝ったらいいの?」 「…知ってるくせに、紘二は意地悪だ…」 「稑くんが先に意地悪したんだから仕返しです。…さて、それじゃぁお風呂行こうか。」 「やっぱり聞こえてたじゃ…ってなに…ッ…」 俺が驚いたのは、紘二に抱き上げられたからだ。 同じ男なのに、こんなに楽々抱き上げられるなんて、なんか複雑だ。 「さっきは気づかなかったけど、稑くんの言った通り体型変わったね。…お腹、少しお肉ついてぷにぷに…」 「わ、悪かったな!お世辞でも変わらないって言え!!」 俺が身動きとれないのをいい事に、紘二はふにふにと俺の脇腹を摘まんだ。

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