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03
息を整えた直輝が俺の中からチンコを引き抜く
「んっ」
抜かれた刺激に勝手に口から声が出た
ぼんやりとしている俺の衣服をわざわざ脱がした張本人である直輝が整えていく
全て綺麗に直し終えた時ちょうど快速の電車が駅に着いた
ぼんやりと力の入らない俺を朝の大勢の人間の波が飲み込んでいく。
(直輝から離れられればそれでいい)
俺がそう思い流れに身を任せた時、
がっしりと俺の手首を直輝が掴みズルズルと引きずるようにして電車を降りた
ぼんやりとした視界でただ直輝に引っ張られるがまま足を動かす。
改札を出ると直輝は駅前に止まるタクシーに乗り込むなり何処か行き先を伝え、運転手は頷くと車を発進した
車の中から流れて行く景色を眺めてぼんやりと何処か他人事のように考えた。
遊ぶならとことん遊んで気が済むまで弄んでさっさと離れて欲しい。
直輝の事を嫌いになる前に直輝と俺の関係が終わればいいのに
そんなことを考えているといつの間にか目的の場所についたのか直輝に引っ張られるがままにタクシーを降りた
降りて見えた場所はラブホテルで
思わず笑いがこみ上げた
「………クズ野郎」
小さく呟いた俺の声が聞こえたのかそうでないのかチラリと直輝が俺を見ると、着ていたサマーカーディガンを俺のワイシャツにかけてネクタイを取るとラブホテルの中に入っていった
直輝は慣れた手つきで何かを頼むと鍵を受け取り部屋に向かう
部屋に着いた途端俺の手を離してベットへと突き飛ばした
「…ッ…」
急な体への衝撃に体が驚く
突き飛ばされて、反射的に起き上がろうとした俺の上に直輝が乗り上がってきた
俺の顎を掴みクイッと上に向けると冷たい瞳で直輝が見下ろしてくる
「……血出てる」
「……」
直輝は強く噛み締めた時に切れた唇の血の跡を見つめると親指で俺の唇を何度も撫でまわす
下唇を撫で、上唇を撫でると
再び下唇に親指を当てて下に向けると口の中に親指を差し込む
俺は親指から逃げるようにして顔を横にそらすが再び顎を掴まれ前を向かされる
俺の瞳をじっと見つめると顔を近づけて唇の傷口を舐めあげた
「んっ」
チロチロと舐めたかと思うとチュッと何度もついばむように挟み込み思い切り吸い上げる
お陰でヒリヒリとした痛みが酷く疼きずくんずくんと再び熱をもち傷口から血が溢れだした
「…いっ…」
「血の味がする」
「……離れろ」
「煩いよ」
直輝はそう言うと俺の唇を噛み付くように塞ぎ舌で無理矢理口を押し開くと、口内を掻き回し直輝の唾液を何度も何度も流し込まれる
飲みたくなくても仰向けのままじゃ無理矢理絡めあった舌から流れこまれた唾液は俺の喉を伝い体へと吸い込まれる
「んっ……んぅ……」
酸素がうまく体に取り込めなくて頭がぼんやりとしてくる。視界がボヤけてきて息が苦しい。どれだけこうしてキスをしているんだろう…直輝は俺の舌を絡めては吸い上げ、唾液を交換しては飲ませてくる。
その動きだけでお前は俺のだよ、と言われている気がして心が痛んだ
長く長く重なっていた唇が離れていく
お互いの間に銀糸が引き合っていやらしく見える。飲み込み切れなかった涎で唇が濡れているのがわかる。吸われ噛まれ続けた唇は痺れていて感覚がなくなっていた
「んぅっ………ハァっ…ハァ」
「唇真っ赤」
「……直輝」
「なあに?」
「………俺の事…嫌い?」
直輝の目を真っ直ぐと見つめて尋ねる俺の目を見つめた直輝はニッコリと優しい笑顔で呟いた
「泣かせたいくらい大嫌い」
頭の中でガラガラと何かが崩れ去るような音がした
「俺は……好きだったよ」
「へえ?ありがとう」
「……でも」
「…………」
「でも今はもうどうでもいい」
ひんやりと心が冷めていくのがわかる
無理矢理犯されても、電車で人前で犯されても
それでも直輝の事を「嫌い」とは思えなかった
だけどさっき「大嫌い」って言われた瞬間、
もうはっきりわかった。
俺は直輝の邪魔者だったのにやっと気づいた。
そう思うとどうでもいいと思った。
好きでいたら傷つけるなら離れる。
嫌いじゃないんだ、こんなんでも何があっても何をされても何をしても俺は直輝の事だけは嫌いになれない
俺の涙を拭いてくれたのは直輝だったから
でも俺は直輝の涙を見たことがなかった
いつの間にかきっと直輝に俺は寄りかかり過ぎたんだ
だから直輝が悩んでた姿にも気づかなかったんだろう
それなのにまだ好きだなんて、言って友達に戻りたいなんて勝手すぎる
ならせめて八つ当たりでも鬱憤晴らしでも好きなように俺にぶつけてスッパリとお互いに離れたかった
「…どうでもいい?」
「そう…どうでもいい」
「…………」
「好きでも嫌いでもないから、直輝の好きにしていいよ俺の事」
「…………………」
「無理矢理犯して、人前で犯して、後はどうしたい?大嫌いな俺のことどうしたい?」
淡々と嘘を述べていく
犯して欲しくなんかない
もう直輝のモノを体の中に入れたくない
前みたいにただ笑い合いたい
家に直輝が仕事終わりに遊びに来て
俺が作った夕飯を美味しいって
ニコニコした笑顔で食べてくれてた時に戻りたい
強がりで我慢して突っぱねてる俺に
黙って頭を撫でてくれてたその暖かい手に触れたい
好きじゃないなんて嘘だ
本当は今だって凄い好きだ
14年間家族のように接してきた唯一の幼馴染みで大切な親友
「……あっそ」
「直輝…?」
「ならその言葉通り俺の好きにさせてもらうよ」
「ッ!」
直輝が冷たく微笑んだ瞬間体を軽々に持ち上げられひっくり返されてうつ伏せにさせられた
「なっ、ちょ!」
「煩いよ」
「んんっ」
ズルリとスラックスと下着を脱がすと直輝は再びアナルにチンコを突き刺す
「いっ……ああっ…!痛いっ…やぁ!」
「ふっ親友だと思ってたやつに掘られてどう?」
「うるっ…さい…んぁぁっ…ふぅっん…」
「嫌って言う割には感じてんじゃん」
「ああああっ!だっ、め…それっ…いや!」
直輝は昨日見つけた俺の感じるところを嫌ってほどカリで擦りあげてくる
「嫌じゃなくていいだろ?」
「いやっ…だ…ヒィッ…んぅっ!ああっう」
腰を掴み尻を高く持ち上げられガツガツと打ち付けられていたが、いきなり両腕を後ろから引っ張られ胸をそらしあげるような体制で直輝は奥を抉ってくる
「いやぁっ!…ああっ…な、お!…やっ…はぁっん…あんっ」
「昨日の今日でこんなに感じて本当淫乱」
「ちがっ…!なおっ…のが…んんっ…あぁぁっ」
「違う?触ってもないのにケツ掘られてあんあん喘いでチンコ勃たせておいて何言ってんの?」
「そっ…んなっ…ああっ…嘘っ…!ちがっ…んん」
「ハッ…そうやって甘い声出して今迄何人の男たぶらかした?」
「し、てない…んぅっ…たぶ…らか…んぁぁっ」
「じゃあずっと無自覚で誑し込んでたんだな!」
「ちがっ!んっ…お、れはっ…ぁうっ、たぶらかした…り…あっ…してな、い」
「計算じゃないなら根っからの淫乱だよ、お前は」
「んんっ…いやっ…も、言わ…ぁ…ない…っで…ああああっ」
直輝は両腕を後ろから掴んだまま力任せに腰を打ち付けると再び俺の中に精液を流し込む。俺もその熱に引っ張られるかのように後ろだけで初めて射精をしてしまった
「…後ろだけでイケて流石だな祥」
「あっ…直………な、お……」
「ちっ」
その後も何度も何度も俺の中に直輝は抽挿を繰り返し白濁液を吐き出すと、最後に俺の顔に白濁液を吐き出して馬鹿みたいなセックスが終わった
散々弄ばれた体は終わる頃には痙攣が止まらず、直輝のモノを咥え込んでいたアナルがパクパクと口を開いたままなのがわかった
ぼーと霞む視界の中で何か直輝が呟いていた。
その顔が余りにも悲しそうに今にも泣き出しそうで俺は思わず震える手を伸ばして直輝の頭を撫でる
散々鳴かされ続けて喉が枯れた酷い声で
「大丈夫、直、大丈夫だよ」と必死に伝える。しかし掠れた声は声になってなくて直輝の耳には届いてないんだろう。
だけど直輝の頬に伸ばした俺の震える手を優しくて暖かい直輝の大きな手のひらが包み込むのを見たらその温かさに安心して俺は意識を手放した。
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